下記のタイトルで登壇者3名に講演をしていただいた。
●「日本の製造業が取り組むデジタルトランスフォーメーション」 岩﨑 悠志様(株式会社ブリヂストン)
●「日本の製造業がシリコンバレーを活用した新規事業開発」大貫 悠太様 (Suzuki Motor of America Inc. )
● Kodiakの事業内容について 塩野 皓士様(Kodiak Robotics)
同じ自動車産業のメーカーではあるが、それぞれ全く違うビジネスをされており、果たして、タイヤ、自動車メーカーによるシニア向けのパーソナルモビリティ開発、そしてトラックの無人自律運転サービスがディスカションでどう絡むのか頭を悩ます羽目になった。
私自身は、今、本業では自律物流ロボットの販売を行っているという事もあり、最新の自律制御の動向には興味があったので、モデレーターの役を買って出たのである。いつもは観客、もしくはパネリストの席に座るのだが、果たして新米モデレーターの行く末は。。。
さて、このイベントの約一ヶ月半前に「大谷由里子のチャリティー講演in SV」という吉本興業元マネージャーの大谷由里子氏によるシリコンバレーでの講演に参加した。さすが、お笑い業界出身だけあって、話がうまく、大変面白い。チャリティのお礼に著書を2冊いただいた。仕事上、講演をしたりすることがあるので、頂いた本の「講師を頼まれたら読む「台本づくり」の本」の「台本」という言葉に興味をもった。
仕事のプレゼンテーションや、大学やセミナーで講義をするとき、当然プレゼン内容のプロットは作成するわけではあるが、この本にあるようにエンタメ業界の人にとっては、それは「台本」と表現した方が正しいのかもしれない。台本を創り、何度も目を通して何度も練習して、その流れそのものを自分のものにする。喋りがプロの人たちとっては、そこにはすごく隠れた苦労があるのだ。
という事で、モデレーターとしての質問の台本創りが始まった。私は、技術の進化そして産業の進化を理解するには、その背景であるニーズを知る必要があると思っている。単に技術が進化したからどんどん破壊的新製品を開発していこうという風潮には少し閉口しているので、社会的要因や意義を質問の中に取り入れたかった。
あまり直接関係のない上記3社の大きい枠での「自動車産業」という縛りで潜るために人手不足や高齢化社会という背景を意識した質問の「台本」を作った。また、最近、話題になっている「デザイン思考」に関する日米での浸透の違いも新たな手法として議題にいれた。当然、登壇者には準備した返答は欲しくなかったので、質問内容は一切伝えず「本番」が始まった。
プロローグ:
「昔のアメリカのテレビ漫画に「宇宙家族ジェットソン」というのがあり、高層タワーのような居住地から空飛ぶ車で通勤し、家庭用ロボットがおり、料理も自動販売機のような機械がしてくれる世界がありました。それから60年ぐらい経ち、技術が進歩し、空飛ぶ車が出てきそうな時代になりました。
AIによる無人技術も発達しましたが、その背景には人手不足や少子高齢化があります。ということで、本日のパネルディスカションは次世代の自動車産業の変化を技術の進歩だけでなく、社会的意義と絡ませた議論にしたく思います。」
質問:
2004年に開催されたDARPAグランド・チャレンジというDARPAによるロボットカーのロボットカーレースによって、一気に無人カーの開発が進んでいます。グランドチャンレンジで常にトップ1、2を争うStanfordやCMUでの開発者たちが当地ではグーグルを始めとする多くの自律無人カーの開発会社に流れています。AI, SLAM, LiDARの進化によって、それらが現実になろうとしているわけですが、Kodiak Robotics にお尋ねします。トラックの運転手の人手不足を考えるとビジネスチャンスが大で、Kodiak Robotics以外にEmbark , Ottoなど、トラックに特化したベンチャー企業は何社ぐらいあるのでしょう?御社の他社と比べた優位性とは何でしょうか?
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対談の詳細内容は、久保田華凛さんによるブログを参照
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13. 最後の質問です。20年、50年後の自動車産業はどのようになっていると考えられますか?
対談の流れをコントロールできるという意味ではモデレーターの役割は非常に重要であると思った。また、それは楽しい事でもあると。
台本作成者としては、プロローグでの「宇宙家族ジェットソン」の空飛ぶ自動車という答えを聞きたかったのだが。。。
大永英明
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