Wednesday, October 14, 2015

第4回 JABI Open Innovation Forum 報告

9月18日にKimberly Wiefling 氏とFlorian Selch氏を招いてJABI Open Innovation Forum, “Starting up and Managing Global Projects and Businesses” が開催されました。

Kimberly Wiefling氏は15年以上の間、多くの日本(米国も)の大企業向けに数々のグローバルリーダーシップや組織強化プログラムを提供してきており、”不可能を可能にする” 成功の方程式についてお話いただきました。Wiefling氏の著書、“Scrappy Project Management: The 12 Predictable and Avoidable Pitfalls Every Project Faces”, 日本語では ”土壇場プロジェクト成功の方程式”(日経BP社)は多くの企業幹部やプロジェクトマネージャーに読まれており、米国に進出している日本企業のグローバル化経営にも役立つ方法が多数紹介されています。日本ではアルクの講師に登録されており http://www.alc-bbl.com/instructor.php?id=68 講座情報もウェブで見つけられます。http://www.alc-bbl.com/lecture.php?id=163




Florian Selch氏はオーストリア出身の若手CEOで、オーストリアでは150年の歴史を持つ年商500億円規模印刷会社の御曹司。NASAのマーズローバーのプロジェクトに参加後、スタートアップのCEOを経験、その後はシリコンバレーのイノベーション手法を取り入れて実家のビジネスの多角化を担っており、組織改革の生々しい実体験を話していただきました。



 


今回はシリコンバレー流のプロジェクトマネジメントの話になると思いきや、企業が成功するのに一番大切な元は何か、と言う観点の大変重要な話になりました。

さて、企業が成功するのに一番大切なものは何でしょうか?
それはやはり”人”です。人が企業を構成している以上、人のマインドセットやチームワークがまずありきで、企業の成功が決まっていく。まさに私が25年以上の企業経験を通して共感できるお話を聞くことができました。

下記はWiefling氏のセッションについての感想を書かせていただきます。
企業内での多くの問題が人と人との信頼の欠如を原因としていること。またリーダーはマネージャーと違い、率先して有言実行するのがリーダー。人は自分の優位性を保ちたい本能から、他人に批判的であり、“あなたはそういうが、でもXXXX”と言う論調では新しいアイデアは出てこない例など、参加者のエクササイズを通してわかりやすく説明されました。心理学や社会心理学を理解した上で組織の文化を変えていかないと、イノベーションやチームワークが生まれないのが良くわかりました。



エクササイズの例としては、二人のペアで顔を描くというもの。各自が交互に顔のパーツを書くことで、一人で書くより創造的な絵が書けると言う経験ができます。また相手の言うことを即否定するというエクササイズでは、いかに良いアイデアが批判的雰囲気で初期に消えるかがわかりした。その他には、リーダーがあごを触ってくださいと言いながら自分は頬をさわると、参加者は頬を触ってしまうという、行動と言動が異なるリーダーの問題点がわかりやすく示されました。

Wiefling氏のセミナーは講師が一方的に説明するという一般のセミナーとは異なり、ファシリテーターが実践や体験を通じて参加者の学習を促し、頭で理解するだけでなく、心で理解できるようになっています。学びが腑に落ちて内省化され、参加者が職場に戻ったあとも言動の変化が持続して組織が活性化されていくのではないかと思います。



このセッションを通して感じたことは、これらのリーダーシップやチームワーク、イノベーションを学んで活用できる会社(組織)と、無駄にする会社があるのではと言うことです。企業のトップがワンマンや独裁者の場合、またマイクロマネージメントの組織では、イノベーションの文化は早々に消されてしまう。社員がセミナー参加後会社に戻ると、会社を辞めたり、解雇されることがあると聞きました。また組織が大きすぎる場合も、せっかくの学びが組織の持つ文化に取り戻されてしまい、無駄になってしまいます。
イノベーション、リーダシップ、グローバル化を求めてWielfling氏のセミナーを開催する企業には、変わらなければ先はないと言う強い危機感や、変わることが許される、奨励される組織(たとえば新規事業部隊)、力のあるスポンサー(社長や役員の後押し)などが求められると感じました。このような素地のある組織に新たな考え方やイノベーションとチームワークの組み方を導入すれば、組織が活性化され、信頼関係やコミュニケーションが改善され、飛躍的な企業活動が可能ではと思います。 逆に無駄にすると思われる会社は、まずはトップの再教育かカウンセリングが必要な気がします。

米国にいる日本人駐在員の方から、本社に言っても理解されない、ただ情報を出しても何も起こらない、などという問題が聞こえてきます。本社の受け入れ先で上記のセミナーを開催することにより、風通しや変化が起こりやすくなるのではと考えられます。米国の社員もやる気が出ますし、アイデアが採用されて出世できればWin-Winですね。

大企業の組織の問題は、日本に限らずどこにでもあると思います。人間が進化する上で習得した本能が実はイノベーションや企業発展の大きな足かせになっていると理解すると、早くこの点に気づき社内の文化を改革した企業が、今後の変化を見方にして発展していけるのではないでしょうか。企業活動で現れる、人間の防衛本能やいわゆる欲と恐怖の感情をいかに克服するかが、今後のリーダーに求められている気がします。自分の保身より皆の幸せを考えて行動できるのか。私も自分の胸に手を当てて自省して行こうと思います。

岡田朋之




Wednesday, September 23, 2015

Robot Launch Global Robotics Startup Competition Finals


去る918日にパロアルトにあるウィルマーヘール(WilmerHale)法律事務所で行われたシリコンバレーロボティックス(SVRobotics.org、以下SVR)とロボハブ(Robohub.org)主催のRobot Launch global robotics startup competition finalsに参加してきました。MCSVRExecutive Directorのアンドラ ケイ氏(Andra Keay )で行われました。


私もこの数ヶ月間、SVRが設定したウェブを通して、いくつかのスタートアップの審査やフィードバックを行ってきたのですが、この日は発表と最終審査でした。SVRのプレジデントでSRIのロボット部門責任者のマホーニ氏や、iRobotベンチャーズのアンダース氏、ラックスキャピタルのファーシュチ氏やシーメンズ社のキャロリンファンク氏など、そうそうたるメンバーが最終審査員として出席しました。興味深かったのは、20名ほどの参加者中、私も含め日本人の参加者が67名見かけられ、日本のロボットに対する興味が感じられました。
世界中100社の応募から選別し、最終審査には16カ国から15社が参加し、内5社はライブ出演、残りは海外や他州からビデオ会議でピッチを行いました。全部の紹介は割愛させていただきますが、その中からいくつか紹介させていただきます。
まずはトップのグランドチャンピオンに輝いたのは、米国のスタートアップClever Pet (http://getcleverpet.com/)で、犬が遊びながら食事をする給餌ロボットを開発した会社です。

昔は犬小屋に住まされていた犬ですが、米国でも室内飼いがほとんど。犬は家族の一員となってきているなか、飼い主が仕事で外出中にさみしくお留守番をする犬が増えています。犬のデイケアーは一日$40かかるということで、家にいる間の退屈しのぎや教育に最適な“餌やりロボット”を開発し、犬を幸せに、飼い主には安心をという試みです。飼い主はスマホで愛犬のアクティビティーやゲームの進捗、餌の摂取量などをモニターする機能がついており、600億ドルと言われる犬のペット市場向けに新たな試みです。ロボットに子守や老人介護をさせる試みが出てきている中、ペットの子守はタイムリーだと感じました。


2番手に選ばれたのはPremadanahttp://www.preemadonna.com/gonailbot)のネイルアートロボット(Nailbot)。まだステルスの会社で製品の詳細はウェブにでていないのですが、自動で選んだネイルアートを簡単に爪にプリントできる機械を開発している会社です。ネイルアートはプリティーンからお年寄りまでに人気があり、世界のネイルケアー市場は150億ドルといわれているそうです。さまざまなアートを簡単にプリントできる機械を一台$199で提供することで、手作業やネイルサロンに行く手間が省け、この大きな市場を狙います。またネイルアートのデータベースとなることで、プリンターのようないわゆる剃刀の歯ビジネスに発展可能。この6週間ほどでIndiegogoに出す予定で、今後大きな反響が期待されます。



3番手に選ばれたスタートアップは、教育向けロボットを開発したZyro Robot Therapy System (http://zyrobotics.com/)です。教育用のタブレットやコンテンツが随分増えてきている中、STEM (Science, Technology, Engineering, and Math) に特化し、ゲームを通して幼児のSTEMに対する興味をわかせると共に、さまざまな発達障害を持つ子供用にも作られており、ソーシャルインパクトが大きく世の中に役立つ試みとして評価されました。
その他では、ロボットを作る技術を提供する会社が数社ありました。
Erle Roboticshttp://erlerobotics.com/blog/home-creative/)はLinuxROSRobot Operating System)を使ったロボットの頭脳部分を小さな箱で提供。蜘蛛ロボットやドローンなど様々なロボットの開発を簡単にします。
MUSE Robotics (http://www.skyrobotics.com/)はプラグアンドプレイで簡単に足せるアクチュエーターを提供。ロボットのセンサーや動作制御を提供します。
Redtree Hydra (http://www.redtreerobotics.com/)も同じくロボットプラットフォームを提供。
The Construct(http://www.theconstructsim.com/)はウェブでロボットの動作シミュレーションができるシミュレーターを提供します。
ArtiMinds (http://www.artiminds.com/)は複雑なロボットの動作をわかりやすい半自動インターフェースでプログラムできる開発環境とソフトウェアーを提供。

これらの技術を使うことで、新たな製品開発が簡単になり、より多くの起業家のアイデアが現実化されていくと考えられます。

最後に個人的に興味をそそったのですが、残念ながら賞は取れなかったフランスのBlue Frog Roboticshttp://www.bluefrogrobotics.com/)を紹介します。昨今アマゾンエコーやJIBO,ソフトバンクのペッパー、NTTDOCOMOOHANAS などコンシューマー向けのコンパニオンロボットが市場に出だしていますが、Blue Frog RoboticsBuddyもそのひとつ。Indiegogoですでに$600kの資金を獲得し開発中のロボットです。タブレットを顔にし表情豊かにしているところと、オプションで後付けの腕を提供することで、基本のロボットを安く、お金を払えばペッパーのように手がついてくるのは面白いアイデアだと感じました。安いと言っても一台$719なので今後どの程度売れるのかが気になります。2016年の初めに出荷予定との事です。

すべての会社のリストは下記をご参照ください。

岡田朋之
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ArtiMinds is redefining how we program robots with their intuitive and semi-automatic interface for controlling complex industrial robot tasks, including sen sor-adaptive motions. (Germany)

Blue Frog Robotics is the company behind the open-source BUDDY companion robot, whose crowdfunding campaign recently ended with over 6 times their ori ginal funding ask. (France)

CleverPethas built a smart dog feeder that lets you play, teach, and connect with your pet all day. (USA)
Erle Robotics creates artificial brains for robots and drones that run on Linux and are based on ROS. (Spain)
GaitTronics is helping patients recover more quickly and with their rehabilitative robot walker, which makes early mobility therapy safe and secure for both p atients and caregivers. (Canada)

Mimetics is the company behind the Jade, a fully-developed educational robot designed to engage and excite the next generation of scientists and engineers. (C anada)

Luvozo is developing SAM, a robot-based concierge for senior living communities to supplement staff with non-medical tasks and activities. (USA)
Mecademic has built an exceptionally compact and accurate tabletop collaborative robot arm for education and research. (Canada)

Mobotech is the company behind the Mobot, a light and compact all-electric smart forklift for maneuvering in tight places and preventing workplace injuries. ( New Zealand)

MUSE Robotics enables developers to build custom robots with less time and money using their complete package of plug and play actuators, motor control and sensory modules. (formerly SkyRobotics of Greece; USA)

Redtree Hydra lets developers easily connect sensors, actuators, components and other parts to the robot without all the hassle of complicated circuits , specialized hardware or device drivers. (Canada)

Scannableare reinventing LiDAR so that low cost ground and aerial vehicles can avoid obstacles and create precise maps. (USA)

The Construct lets developers run simulations in the cloud and share them with colleagues via web interface. (Spain/USA)

Zyro Robot Therapy System is building a personalized robot coach that addresses a variety of educational, social and therapeutic needs. (USA)

PLUS a stealth female-led startup (USA) that we will share with you after the finals!!