Monday, May 24, 2010

TOYOTAとTESLAの連携は日本企業再生の大きなヒント

ご承知のように、先月までTOYOTAは米国議会から、欠陥隠しを指摘され、適切な情報公開を怠っていたと、厳しく責められていました。また、GMと合弁 で作ったシリコンバレーにあるNUMMIの工場も閉鎖し、従業員も解雇で、地元からは冷たい仕打ちと思われていました。

しかし、先週のTESLA Motorへの出資、それに伴なう「電気自動車工場」としてNUMMIの再開は、Win-Win-Winの三方一両得を見事に描きました。三方とは、 TOYOTA、TESLA、そして地元です。NUMMI工場での採用は1000名と閉鎖前の6000人には及びませんが、この厳しい経済状況の中、地元に とっては大きな雇用枠の増加で、大いに歓迎されています。

このTESLAとの提携は、章男社長がTESLAに試乗して1ヶ月で決めたとあります。これは、TESLAがTOYOTAに無い電気自動車のコンセプト、そして電池の長距離走行、高速性能、安全性の確保ができる開発力を持っていたからにほかなりません。シリコンバレーの会社が、自分の得意分野でNo.1に なっている証拠でもあります。

今回のTOYOTAが「シリコンバレーのベンチャー会社と手を組んだ」ということは、日本の会社にとって大きな光明だと思います。そうです、自社の不足部 分を「シリコンバレーから取り込む」選択があるということですから。しかも、世界のトップレベルの技術を取り込めるわけです。

TESLAからすると、セダンを量産した経験がないので、TOYOTAから学ぶことも多いでしょう。お互いに、強みを活かしながら事業を広げることになり、素晴らしい組み合わせだと思います。

シリコンバレーには電気自動車だけでなく、独自の技術を持った会社が次々生まれていますし、日本企業が活躍出来る分野も少なからずあります。JABI発足 のタイミングに、このような夢のある話題がでて、大変嬉しく思います。今後、このような機会がますます増えることを願っています。

八木 博

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