Friday, July 19, 2013

デトロイト破綻に思う事

私が最初に就職したのが産業用ロボットメーカーという事でビッグ3(GM, Ford, Chrysler)が大手顧客であったり、地理的にもコネチカット州(その後引っ越したペンシルバニア州)からデトロイトが近かった事もあり、今朝のアメリカ自動車産業を象徴する大都市、デトロイト市が資金繰りに行き詰まり、アメリカの自治体としては史上最大規模の財政破綻に陥ったというニュースに過大なショックを受けました。(ダイアナ・ロスに代表されるモータウンレコードが好きだったと理由もありますが。。。)

デトロイト市内に本社を置く米ゼネラル・モーターズ(GM)は数年前の破綻から復活したが、グローバル化の中で、生産の海外移転などにより大量の人口流出と雇用縮小は止まらず税収は落ち込んでいたというのが大きな要因であると報道されました。

私の住んでいるカリフォルニア州ベイエリア(一般的にシリコンバレーと呼ばれている地域)に近い人口30万人のストックトン市も、リーマンショックのあと、住宅市場の低迷などで税収が大幅に減ったため、日本円でおよそ550億円の負債を抱え財政破綻したという記憶は新しいでしょう。

グローバル化によって、生産拠点が市場の近場に移るだけでなく、生産コストという理由で海外にでるのが最近の傾向です。つまり、国内の生産が減少するという意味では、デトロイトの破綻は、ストックトン市でも起こったように近年において何処でも起こりえるという事ではないだろうか?

そういった意味では、破綻の可能性は自治体だけでなく、企業レベルでも起こりえると思います。つまり、びとつのキー産業や製品群に頼っていると、グローバルでの進化の激しい今日、存続のリスクが非常に高いという事を市町村、そして企業が認識する必要があると感じました。

一般的に、企業サイズに問わず、30%以上の収入を1顧客に依存するのはリスクがかなり高いと言われています。つまり、リスクを分散するためには顧客の分散、新しい製品群、新しい事業の開発が重要であると言われています。産業の衰退という意味では、シリコンバレーに於いても、その名前由来の半導体ビジネスもグローバル化の流れの中で(チップメーカーだけでなく装置メーカー含む)海外生産というトレンドの中、衰退していると思われます。

どうして、破綻がシリコンバレーでなく、デトロイトだったのだろう?それは、シリコンバレーがイノベーションを継続させる事が出来るというエコシステムを持っているからだと断定できるのではないでしょうか?シリコンバレーでは、そのエコシステムを活用する事によって、ソフトウェア、IT、モバイル、クラウド等、新しい試みによる新産業が開拓されています。

デトロイトの破綻を教訓とし、これからも新しいチャレンジを日常生活習慣、そして、イノベーションを糧とし、つまりは働く理由・目的とした毎日をJABIの一員として過ごしたいと再度感じたニュースでした。

大永英明

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