Sunday, March 24, 2013

第6回JABIサロン

去る3月19日、 第6回JABIサロンを開催致しました。

通常、JABIサロンとは、JABIメンバーが会員自身の専門、得意・興味分野について話をし、会員が何をしている人なのかを演題を通して、会員、一般にアピールするのですが、今回は、サロンの参加リピーターである佐々木昌様が赴任が終わり帰国されるという話を耳にし、急遽、「ビッグデータ時代のセンサの未来予想図 - 超えるべき3つの壁」 と題したテーマで講師をして頂きました。

当日は、31人登録のうち29人が参加され、講演後も活発な質疑が行われました。今回の講演の中での3つの壁とは、使い易さ、寿命、価格でした。これらは、他の業界の製品にも通じる課題であると、改めて感じました。



佐々木様のご厚意で、当日の資料をここ(LINK)に置かせていただきましたので、当日参加されなかった方も参考にして頂ければと思います。

(大永英明)

Friday, March 8, 2013

Steve Jobs and design

“Design is not just what it looks like and feels like. Design is how it works.” Steve Jobsのquoteです。何時ごろのquoteでしょうか、彼の商品作り込みの信念が表現されていると感じています。

彼が亡くなった直後のSilicon Valleyで、語られた事で、「Steve Jobsは、人間が本来的に持つ、もの(hardware)への愛着の感情(emotional attachment)を深く理解していた」という事があります。 又、Hardware independent/portable softwareモデルが全盛、WintelがPCの産業を形成した90年代にSteveは、自社のhardwareのみにこだわり続けていました。

優れたuser環境を持ちながら、自社HWのみに拘るSteve/Appleに私はいらだちさえ覚えていた事を記憶しています。iMacに対する私の評価は最低でした。

これは、HW independent/portable SWモデルのみが、市場を支配出来るという思い込みでした(computerにデザインなどは不要、とまで言い切ってました)。Mac OSXをベースとしたその後のiMac/Mac Mini/MacBookPro/iPod/iPhone/iPadの市場の席巻で、始めてSteveの深い造詣を理解できました(凡人です)。

これらの事実は、一見、前述のquoteと矛盾して聞こえるかもしれません。しかし、Steveの言っている事は、商品が顧客に提供する価値は、deviceのデザインがそこに搭載されるUIを含む全ての機能と「融合」して生まれる、という事だと思います。とても深い哲学です。Steveが亡くなってしまった今は、Emotional designに造詣の深いDon Normanがどのように捉えているかが興味です。

この観点で、昨年8/25のApple-Samsung第一審で、AppleのデザインとUIの特許が守られるべきIPとして認められ、勝訴した事はcomputer業界に留まらず全領域に亘り、重要な意味を持つと思います。

岩村公彦 http://kiwamura.wordpress.com/

Friday, November 4, 2011

第2回 JABIサロン (11/4/2011)


去る11月4日に第2回 JABI (Japan America Business Initiatives) Salon 講演会がSanta Claraで行われ、皆様のご協力とご支援のお蔭で第2回JABI Salon講演会は成功裏に進めることができました。

今回の講師は Rochelle Kopp氏による 「外国人との交渉に成功するヒシネス英語」でした。

「外国人との交渉に成功するヒシネス英語」(語研)を始め、著書多数のロッシェルさんの話は、日米間の国柄、文化、言語の違いをご専門に研究されている事もあり、うなずく事ばかりでした。特に今回の話は、各国の文化によるコミュニケーション方法の違いを理解する事によって、より良い交渉ができるという実戦的なものでした。

JABI会員より非会員の出席者の方が多く、盛況のうちに終わりました。

Tuesday, August 16, 2011

何故、”シリコンバレーの風”か?

7月の始めは、日本に出張していた。20年前の7月1日にシリコンバレーに移住してきた。
それ以前の1982年に、NY州のRochesterからシリコンバレーに出張してStanford大学とXerox Parcを訪問した。その時以来、いつかは、シリコンバレーで仕事をしたいという気持ちが生まれ、その後、日本に帰ってからは、シリコンバレーでキャリア を積みたいという気持ちが日々強くなり、1991年7月1日に実現した。シリコンバレーに来るのに9年かかった。それからは、「何かをしていたい、何かを していなければいけない」、というシリコンバレーの雰囲気の中で、あっという間の20年間だった。

今、私の会社の名前は、Silicon Valley Breeze, LLC ~Like a Breeze in Silicon Valley~。多くの友人に、「何故?」と聞かれる。
私とってシリコンバレー からの誘惑は、静かだが常に私の中にあった。それが、何だったのかが1991年にSFOに降り立ち、Sunnyvaleのホテルにチェックインし、落ち着 いた時に分かった気がした。「この風だ、いつも、静かに絶え間なく吹いているのこの風だ」。シリコンバレーの風は、爽やかに、心地よく、木々を優しくなび かせながら吹く。そして、何よりも、この風にはエネルギーがある、何かのエネルギーがある。私は、このエネルギーに魅せられていたのだ。

シリコンバレー は、価値創造のメッカだ。NASDAQの時価総額トップ10の6社がシリコンバレーの会社、という事がその事を象徴している。シリコンバレーは、イノベー ションのエンジンと呼ばれ、スタンフォードはそのシリコンバレーのエンジンと呼ばれている。DNA関連Bio技術開発、RISK Chipの発明、GPSの発明、DSLの発明、そして、Googleの誕生、、、多くの技術やビジネスがスタンフォードから生まれている。だから、シリコ ンバレーは、「成功」象徴の様に語られる事が多い。それは、間違いない。しかし、シリコンバレーには、成功者よりも実現したい事が思い通りには行かず、何 とかしようとしている人の方が圧倒的に多い。成功者も、成功する迄に多くの経験とラーニングを積み重ね、もがいた末に成功に到達している。ので、シリコン バレーは、上手く行かずにもがいている人がマジョリティーで、成功者は一握りなのた。

シリコンバレーで「もがく」人は 例外無くポジティブだ。皆、エネルギーに満ちあふれ、へこたれず、常に自分の目指す事に向かっている。もがき続けているのだ。この「もがき」のエネルギー は、外に発散するエネルギーだ。このエネルギーが、満ち満ちていて、そのエネルギーをシリコンバレーの風が運んでいるのだ。だから、シリコンバレーの風は 爽やかだが、強いエネルギーの流れなのだ。私は、いつもシリコンバレー の風のように爽やかにエネルギーをたたえて仕事を、遊びを、日々の生活をしていたいと思っている。もちろん、私ももがいている一人だ。私の周りの友人達 も、執拗にもがいている。この魅力にやられ放しで、あっと言う間の20年間が過ぎた。

シリコンバレーで一緒にも仕事をしませんか?

岩村公彦  http://kiwamura.wordpress.com/

Friday, July 29, 2011

JABI ミキサー @ インターソーラー

7月12日から14日までサンフランシスコでインターソーラーが開かれました。セミコンウェストと同時開催ということで多くの人たちが各業界からサ ンフランシスコを訪れました。インターソーラーは太陽光発電・太陽熱関連の商材及びサービスに関連する会社が展示・商談を行う見本市です。この見本市に IBPC大阪ネットワークセンターと大阪から4社ほど会社が出展するということで、JABI はミキサーを開くはこびとなりました。

ミキサー自体は JABI に参加する以前にもいくつかまとめることがありましたが、日本からの参加者主体のミキサーは私にとっては初めてでした。インターソーラーの会場であるモス コーニセンターから徒歩5分以内で行くことができる場所、座らずに立ちながらのネットワーキングができるスペースのある場所、そしておもてなしがある程度 良いところなどの基準がありました。候補にあげた会場はとても少なかったですが、以前行ったことがあるレストランにラウンジのスペースがあることを思い出 し、そこに決定することができました。これに至るまでは3軒の場所の視察を2回、ホテル数軒へのミーティングルームの問い合わせなどをしました。

私は昼過ぎからセミコンウェストとインターソーラーの視察し、IBPC大阪ネットワークセンターのブースへ向かいました。6時に展示を終了されたみ なさんとミキサーの会場であるタイレストランへと流れ、現地では大阪市副市長が合流されました。まずは大永氏の挨拶、そして大阪市副市長の挨拶があり、参 加されたみなさんは飲み物を片手に積極的にネットワークをされていました。中にはワインをボトルでオーダーされた方や、ちょっとした食べ物をみなさんのた めにオーダーされた方がおられたりと、ビジネスネットワークの中にもわきあいあいとした光景も見られました。ミキサー終了後はレストランに残りみなさんと お食事をされた方々もおられました。

私は JABI 初のミキサーは成功であったと思います。目的であるネットワーキングがスムーズにできたことは良かったと思います。JABI としてのクライアントを作っていく、JABI の名前を広めていくということでは、とても小さなステップであったかもしれませんが、とても良いステップを踏んだと思います。小さなステップを確実にこな していき、それらがつながって大きなステップとして JABI が前進するときが来ることを信じています。最後になりましたがお手伝いさせていただきありがとうございました。

Yuki Hashimoto
Yuki Photography/ Oracle
@YukizTweets

リンク: IBPC大阪ネットワークセンターO-BIC (Osaka Business and Investment Center)

Wednesday, July 13, 2011

7/13/2011 大阪市/企業とのミキサー@InterSolar


去る7月12日から14日までサンフランシスコのモスコー二センターでインタ―ソーラー及びセミコンウェストとが開催され、インターソーラーの大阪市、IBPC Osaka Investment Promotion Center, O-BIC (Osaka Business and Investment Center) が主催した大阪企業をフィーチャーしたブースに、4社が出展されました。

7月13日にその参加者有志とJABI会員有志でネットワーキングミキサー(交流会)を開催し、各社のアメリカ進出のスタンス/ニーズであったり、JABI会員の米国進出に関する提供サービス等を含んだ自己紹介等、そして両国の経済状況等を主とした話で盛り上がりました。短期間の通知にもかかわらず、JABI会員8名日本よりの参加者約20名と予想を上回った参加となりました。

冒頭には北山啓三副市長も参加され、JABIの主旨をご理解頂き、有意義な交流会であると評価を頂きました。

JABIによるミキサー、特に展示会にからめたミキサーは今回初めてでしたが、かなり有効であった事が確認されましたので、12月にサンホセで開催されるBIOMEDeviceでも同様なミキサーが可能か検討をしていく予定です。

Wednesday, July 6, 2011

JABIナビゲーターのミッション

私はJABIが名づけた、「ナビゲーター会員」という言葉が好きだ。JABIのナビゲーター会員は、米国の業界がよくわかっている経験豊富なコンサルタント集団である。

弊社ではよく「業界知識」と言っているが、弊社の場合は、バイオ、ライフサイエンス業界において、会社であれ、キーパーソンであれ、製品名であれ、 ある取引名であれ、それが単なる言葉ではなく、2次元、3次元、4次元の知識として知っている。ある製品の話題になれば、その製品がどういう背景でどうし てそれが作られたか、どうしてこの会社はこれをつくり、別の会社は別の方法で作っているのか。それは、特許のせいかもしれないし、あるいは、共同開発の相 手が違うからかもしれない。そのような知識があるからこそ、クライアントの悩みを素早く理解し、そこからより効率よくクライアントを成功に導く。このよう な役割をするのがナビゲーター会員の一つの仕事である。

日本企業は米国企業になめられてしまうことがよくある。この問題こそが、私が米国での生活が長くなるにつれて、自分たちの力でどうにかしたい課題になっていった。以下にいくつかの例を挙げ、ナビゲーターの役割について考える。

(1)米国に無数に存在する米国のベンチャー企業が、日本のベンチャーキャピタルからファンドレイズをしようとする場合がある。本来なら米国のベン チャーキャピタルから資金を集めたほうが、ベンチャーキャピタルの豊富なネットワークにアクセスを持つことができて有利なはずである。しかし、日本のベン チャーキャピタルは意外に人気がある。それは、日本のベンチャーキャピタルは、「お金は出すが、口は出さない」のでマネージメントがし易いと思われている からである。一方で、ライフサイエンス、バイオ系の投資に関しても、私はひどい例をいくつか見てきた。つぶれそうな会社であるのに、それを隠して日本の投 資家から資金を集め、本当にすぐつぶれてしまった例や、マネージメントを全部取り替えてビジネスプランも変え、既存投資家にはほとんど権利を残さないよう にしたにもかかわらず、その事実をきちっと投資家に報告しなかった例。または、巨額の投資を要求しながら、わずかな権利しか日本企業に渡さなかった例。

(2)アメリカからのネタ探しをビジネスにする場合も同様である。新しいネタがどこにあるのか。新しいものを見た時に、それが新しいものだというこ とがわかるのか。どうやったら米国企業のプレゼンテーションに誇張や偽りがないかを見抜くか。海外の案件が不当に高い値段がついて日本企業が買わされる ケースはよく見かける。

私は、普段から、このような状況に日本の企業が陥らないように、自然にゲートキーパー的な役割を果たすことが多い。フェアなディールを行うには、知 識や経験が武器になる。そういう人材が自社内にいることが望ましいかもしれないが、そういうことを専門にしているのがナビゲーターである。

(3)上と逆に、自分の持つ技術を、どうやって海外に売っていくか。日本の重要な発見が、米国企業に安く買いたたかれるケースがある。「海外展開」 に力を入れるばかりに、とにかく契約を結ぶことに専念してしまい、海外の企業のパートナーの言いなりに特許のライセンス権を与えてしまうようなケースも見 かける。一方で、同じ特許の事業化を行っている国内企業は、海外企業より厳しい条件を与えられたりする。そうすると、国内企業は海外企業より不利な条件で 製品化を行わなくてはいけなくなる。そして、関係者に聞くと、「海外での実績は、国内向けのアピールでもありますから、この技術が海外で認められた、とい うことが国内のお客さんにわかればいいのです」と答えることがある。しかし、これでは日本の国家的利益を損なわないだろうか?

ナビゲーターは、日本発の技術を見て、それが世界に通用するものであるか、あるいは通用するものにするにはどうしたらよいか、それがわかる。あるい はその場でわからなくても、それを知る手段やノウハウを持っている。価値のあるものであれば、米国のより良質な顧客やパートナーを複数見つけてくること で、技術の価値を高めることもできる。私の専門であるバイオ、ライフサイエンスの分野では、今幹細胞ブームになっていて、新しい特許が次々に成立してお り、分野がグローバル化し、日本の競争力が試される時が来ている。iPS細胞という細胞の作成技術は日本発の技術である。日本発の技術を使って、どうやっ て、人々の健康のために技術を生かすことができ、どのように日本の産業を活性させることができるか。

私自身もナビゲーター会員として、関連世界の全体像を把握することで、上述のように日本企業が不利になるような状況を少しでも改善し、クライアントの利益を守ることをミッションとし、日本企業の健全なグローバル化に貢献したいと思っている。

二村 晶子 (InfiniteBio)