Tuesday, January 25, 2011

Off Grid(電気のないところ)にLEDが灯った

ケニアの村で、太陽電池を使ったLED照明が普及しつつあります。

http://www.imanetinc.com/blog/2011/01 /kenya_starts_from_off_grid_sol.html
灯油ランプから、LED照明へ。
ハイテク技術が、村の生活を「無理なく、明る い生活へ」と変えてゆきます。喜んで学校の勉強をする子供たちの姿が、まぶしいくらいです。

NY TimesのVideo記事を私のブログにアップしました。

八木 博

Sunday, January 23, 2011

Value chainについて

岩村公彦 日米間のビジネスアレンジメントの仕事をしていて、一つ思う事は、両国でのvalue chainの構造の違いだ。
「モノ」 のvalue chainは、大きなくくりで、材料 → コンポーネント → モジュール → 商品・パッケージ → 顧客、となる。
米国では、各chainの輪毎に多くのplayerが居て、しかも、ベンチャーでも(時には、大学の教授でも)参入できる間口が確保されて いる。そして、value chainの輪の間での 関係は、many-to-manyなので、player達は、value chainの前後の関係で、自分のchainの輪の中での競争をしなければならない。自分の輪で、マーケットシェアをとり、コントロールパワーを持つと、 バーティカル・インテグレーションのチャンスが生まれる。でも、下手にインテグレートすると、選択肢を狭めるリスクもある。この様な構造でのダイナミック なビジネス展開が産業全体を育てる。
日本の場合は、主流となっているvalue chainは、大企業が、グループ会社や中小企業の囲い込みにより、バーティカルにインテグレートしていて、chainの輪の間の関係は、one-to- oneの関係になっていて、競争がない代わりに、大企業の事業の状況で、各player達のビジネスが左右される、という状況が生まれる。又、一度確立し たvalue chainには、中々、新たに参入し難い構造ではないかと思う。大企業が中小企業のvalue chainへの囲い込み(下請け化)を解き放ち、many-to-manyの構造を促進し、その事で、優れた技術とビジネスをもつ中小企業が、グローバル に進出するベースを作り、かつ、ベンチャービジネスを生み出す基礎を作り出して行くのではないか、と思う。many-to-manyの競争は、value chainの全般に渡って、痛みも伴うが、健全な産業育成につながる。
大企業のvalue chainの変革は中小企業のグローバル化に貢献出来る、と思う。

Saturday, January 22, 2011

日本の生きる道

最近、日本の危機感、そして中小企業のグローバル化等を取り上げたテレビ番組が増えた。正月休み中に「ニッポンの生きる道」と題したNHKの討論会をみた が、その中のゲスト達が、海外で生活している我々仲間が日頃口にしている事を簡潔に述べられていた。正月早々、スキッとした思いをしたので、ここに JABI活動に関係する部分を記したく本ブログ記事を書いた。

「デフレの正体」著者、藻谷浩介による、生産年齢人口の推移と経済成長の関係は、凄く分かり易かった。このグラフ一枚で日本の抱えている経済問題をかなり 理解する事ができる。

景気後退の理由に高齢化傾向による生産年齢人口の衰退や少子化などの理由がある。よって景気の悪さを国のせいにせず、企業が頑張る必要がある。「皆、当事 者になろう。」(コマツ会長、日本経団連副会長 — 坂根正弘)グローバルで勝つ為には多様化が必要であり、多様性市場を把握する必要がある。

真田幸光愛知淑徳大学教授は、日本再生のカギは中小企業と考え、「中小企業の生き抜く道」を提言した。スピードとリスクをとれる決断力は中小企業にある。 中小企業の方が製品開発し、黒字にもっていく時間が短い。(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)大企業ではできないが、中小企業であればできる事が沢 山ある、よって、これからは中小企業がもっと主体になって行くべし。

日本企業の99.7%が中小企業である。多くは、大企業を支える下請けであったり、サポートを提供している企業であるが、それだけではない。「小さい会社 は小さな商社と組んで海外進出すれば良い。」米倉誠一郎(一橋大学イノベーション研究センター長)

韓国では中国赴任者は家族を連れていき、世界を観るが、日本では単身赴任が多い。これではせっかく家族に「世界」「多様化」をみせる機会を放棄しているよ うなものである。まさに、自らガラパゴスを作っているわけだ。また、ノーベル化学賞受賞者、根岸英一博士は、日本からアメリカへの留学生が少なくなったと 嘆く。米倉氏によると、日本からアメリカへの留学生の数も1996年には世界トップだったのが現在第4位。(1位、2位のインド、中国と比べ、3倍以上の 差!!)アメリカに来るのはアメリカ人達と出会うのではなく、世界から集まった世界の人達と会うのが最大のメリットであるというのが理解されていないようだ。

様々な理由で日本脱出し、アメリカに住んでいる私達仲間は、常に日本の将来の危機を案じている。そして、JABIというコンソーシアムを介して日本からア メリカへ進出したい日本の中堅や中小企業を支援しようと、昨年、本コンソーシアムが結束された。多様化の必要性を感じ、既に多様化の世界で活躍している多 くの同朋が多様化/グローバル化を求めてアメリカへ進出したい企業を応援するのは当然の使命であると再認識する機会を与えてくれた特別番組であった。

大永英明

Monday, January 10, 2011

イノベーション:一つの見方 – 2011元旦に思う

岩村公彦

イノベーションを技術で捉える見方が根強くあるように思える。Innovative technologyを、技術自体がinnovativeという事ではなく、innovationを起こし得る技術、という見方は、シリコンバレーで、定 着しているように思える。イノベーションとは何か、という問いには、幾つかの答えがあると思うが、私にとってのイノベーションは、人の行動や態度が本質的 の変わる(behaviorが変わる)状態をいう。その観点では、技術は、イノベーションを起こすための道具でしかない。言い換えれば、イノベーションは 技術が無くても起る。優れたコンセプトが、イノベーションを起す、といっても良いだろう。それでは、イノベーションはどのようにして起こせるのか?組織で 言えば、イノベーションは、仕事のプロセスから生まれる – 「知」、「創造性」のぶつかり合いや共有を通して、新たなコンセプトが生まれ、それが、人のbehaviorを変える、又は、消費者のbehaviorを 変える様な商品やサービスのコンセプトが生まれる。又、イノベーションは、顧客・ユーザーと対面しながら、闘わす議論とそれを組み込む弛まぬ試みから新た なコンセプトが生まれ、顧客・ユーザーのbehaviorを変えるような商品・サービスを生み出す。イノベーションは、ある時突然起ったり、ブームのよう に現れたりはしない。イノベーションは、人が根気づよくじっくりと育てて生み出すものだ。このようにイノベーションを観ると、イノベーションには必ず 「人」が絡む。「イノベーションを生み出だしたい」、という情熱が新たなコンセプトを創造し、そのコンセプトを実現する為の技術・商品・サービスを生み出 し、新たな市場を生み出す。シリコンバレーには、イノベーションを志す人達が米国内だけでなく、世界中から集まってくる。そして、特有のプラットフォーム で、「知」が通い合い、「創造性」がぶつかり合う。新たなコンセプトを実現する手段としての技術も豊富に存在する。だから、シリコンバレーは、多くのイノ ベーションを生み出して来たのだ。技術だけなら、全米の他に地域にも存在する、だが、「人」の集中度合いが群を抜いているのだ。このシリコンバレーで、私 は、私のクライアントが今までと質的に異なり、進化した活動をシリコンバレーで展開する事を実現したいと願っている。個人コンサルタントであっても、私に は、StanfordやUCBの友人、国立研究所出身のパートナー、ベンチャーを経営する友人、ベンチャーを支援する友人、そして、JABIメンバーの友 人達がいる。このeco-systemをプラットフォームとして日々交換している「知」や「創造性」を最大限クライアントと共有して、新しい動きを作り出 したい。

Saturday, January 8, 2011

TwitterのJABIアカウントスタート

皆様、明けましておめでとうございます。
本年もどうぞJABIをよろしくお願いします。

ご報告があります。
JABIのTwitterアカウントがスタートしました。
まだよちよち歩きですが、イベントやニュースの配信などをさせていただく予定です。
@JABISV のフォローをよろしくお願いします。
もちろん、フォロー返しも致しますので、よろしくお引き立てください。

会員からのハッシュタグは #JABISV です。
こちらもよろしくお願いします。

JABI Social Marketing Group

Wednesday, December 1, 2010

産みの苦しみ

今春にJABIがスタートし、9月に非営利団体の登録が受理され、今日に至る。

今春の説明会で新規会員をシリコンバレー募集し、現在40名弱集まった。本 格的活動がはじまり、日本の地方自治体への告知も6月から始まった。

スタートから6ヶ月、会員に対するサービス内容が十分でないのを不満と思っておられる 会員も多くだろう、しかし、ゼロからのスタートなので、今は「産みの苦しみ時期」であるとJABI会員にはご理解頂ければと思う。スタートの時点で運営資 金があったわけではないので、参加会員のボランティア貢献による基盤の構築が現状況である。つまり、目的を達成すための準備期間である。

アメリカで独立し活躍されている一匹オオカミ達が会員として集まっているわけなので、様々な考えが存在する。一匹オオカミは基本的には群れないので、本コ ンソーシアムに属する事自体、「矛盾」と感じるかもしれない。しかし、皆が同じ理念と目的のために集まっていると考えれば、本コンソーシアム設立の意味を 再認識できる。

早く、基盤を整え、日本の中小企業によるアメリカ進出の支援に貢献出来ればと考える毎日である。

Tuesday, July 13, 2010

日本の海外進出動向

すこし前になるが、中国地方に引き続き、6月中旬に大阪市海外プロモーション、財団法人 大阪産業振興機構、財団法人 京都高度技術研究所の方々を訪問 し、JABIの案内、意見交換をさせて頂いた。

JABIの主旨については、賛同頂き、興味を持っておられる中小企業に紹介して頂けるとの言葉を頂き安心した。

しかし、現在、多くの日本企業の海外進出は中国、ベトナムを中心に動いているとの事。理由は低コスト製造と市場である。

マーケットに近いところで、製造するのは自然の流れであるが、単に中国での低コスト製造は品質の低下、そして製造技術の漏洩/供与につながる。また、成長 期にみられる人件費高騰の中では、普遍的な低コスト製造が行えるかは疑問である。(それが故にすでにベトナムなど、より低賃金の国へすでに移行しているわ けだが。)

当然、中国での製造技術が高まるという事は、競争相手を日本メーカーが自ら作り上げることにも繋がる。よって、現在の中国良景気に対して、日本の進出メー カーがいつまで利益を上げれるのかを十分に検討する必要があると勝手に心配してしまう。

先日訪問した某日本メーカーが、「今までは、品質で売っていたが、中国マーケットに対応するため中国で製造を始めたら、今要求されるのは、1に納期、2に 価格、3に品質だ。」と教えてくれた。

この動きによって、これからますます、物造りが難しくなる。今までの日本製品に対する品質価値が薄くなるのだ。単に、値段を問われる市場で果たして日本は どんな物造りをしていくのだろう?

もっと、目先の利益にとらわれず、マネのされない付加価値の高いものづくり、仕組みを考えていく必要があると痛切に感じる。そのためにも、多様化文化、イ ノベーションの高いシリコンバレーで製品開発を行い、世界のマーケットを攻める方が長期的であると考えるのは私だけだろうか?

大永英明