Monday, January 10, 2011

イノベーション:一つの見方 – 2011元旦に思う

岩村公彦

イノベーションを技術で捉える見方が根強くあるように思える。Innovative technologyを、技術自体がinnovativeという事ではなく、innovationを起こし得る技術、という見方は、シリコンバレーで、定 着しているように思える。イノベーションとは何か、という問いには、幾つかの答えがあると思うが、私にとってのイノベーションは、人の行動や態度が本質的 の変わる(behaviorが変わる)状態をいう。その観点では、技術は、イノベーションを起こすための道具でしかない。言い換えれば、イノベーションは 技術が無くても起る。優れたコンセプトが、イノベーションを起す、といっても良いだろう。それでは、イノベーションはどのようにして起こせるのか?組織で 言えば、イノベーションは、仕事のプロセスから生まれる – 「知」、「創造性」のぶつかり合いや共有を通して、新たなコンセプトが生まれ、それが、人のbehaviorを変える、又は、消費者のbehaviorを 変える様な商品やサービスのコンセプトが生まれる。又、イノベーションは、顧客・ユーザーと対面しながら、闘わす議論とそれを組み込む弛まぬ試みから新た なコンセプトが生まれ、顧客・ユーザーのbehaviorを変えるような商品・サービスを生み出す。イノベーションは、ある時突然起ったり、ブームのよう に現れたりはしない。イノベーションは、人が根気づよくじっくりと育てて生み出すものだ。このようにイノベーションを観ると、イノベーションには必ず 「人」が絡む。「イノベーションを生み出だしたい」、という情熱が新たなコンセプトを創造し、そのコンセプトを実現する為の技術・商品・サービスを生み出 し、新たな市場を生み出す。シリコンバレーには、イノベーションを志す人達が米国内だけでなく、世界中から集まってくる。そして、特有のプラットフォーム で、「知」が通い合い、「創造性」がぶつかり合う。新たなコンセプトを実現する手段としての技術も豊富に存在する。だから、シリコンバレーは、多くのイノ ベーションを生み出して来たのだ。技術だけなら、全米の他に地域にも存在する、だが、「人」の集中度合いが群を抜いているのだ。このシリコンバレーで、私 は、私のクライアントが今までと質的に異なり、進化した活動をシリコンバレーで展開する事を実現したいと願っている。個人コンサルタントであっても、私に は、StanfordやUCBの友人、国立研究所出身のパートナー、ベンチャーを経営する友人、ベンチャーを支援する友人、そして、JABIメンバーの友 人達がいる。このeco-systemをプラットフォームとして日々交換している「知」や「創造性」を最大限クライアントと共有して、新しい動きを作り出 したい。

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