Friday, October 14, 2022

JABI Salon 7/22/22

 2年半以上経っただろうか。本日は、コロナ明け(?)初めてのIn Personとズームでのハイブリッド形式でJABIメンバーのキンバリーさんによる「シリコンバレー流 イノベーションマインドセット グローバル環境を生き抜く力を身に着けるワークショップ」と題したJABIサロンを行った。

 

最近、また、コロナ感染者が増えてきているので、当然のプロトコルとして、体温チェックでの入場。

非接触の体温計を家から持ってきたのだが、非接触の距離とか使い慣れていない。おかげで、

スタッフの中には、熱の範囲の表示も。少し、待って、やり直して、全員平温ということでオッケー!

 

昨年から新しくメンバーとなり、イベント実行メンバーとして参加いただいている塩見さんは、イベントのプロ。前職ではテレビ番組を作っていたこともあるとか。。。

数台の外部カメラ、カメラ切り替えスイッチャー、モニタースピーカーなどを屈指してのアメリカ会場と日米のズームによる参加者とのセッションです。

 

コロナのせいもあり、In Personの参加者が少ない。講師を入れて9名だ。よって、ライブ中継のテレビ番組の参加者・観客として現場にいるようなこじんまりとしたサイズ。

 

まずは、ピザで腹ごしらえ。。。今日はインドピザ!結構美味しい。

 

さて、腹ごしらえ、ズーム、ビデオのセットアップも終わり、いよいよスタート!!

 

リモートの参加はJABI会員のみならず、一般からも参加。また、日本サイドの参加者にはJABIと提携している関西ベンチャー学会や神戸ベンチャー研究会のメンバーも参加された。

 

MCであるインターンの秋篠里駆(リク)君の進行で、いつものようにJABIの紹介をイベント担当理事のトム岡田さん、そしてナディア・ソープ会長の挨拶に引き続き、メインのセッションが始まった。コロナ中のズームのセッションでからりの場数を踏んだので、里駆君の会話もスムーズである。

 

Scrappy Project Management』の著者である講師のKimberly Wiefling(キンバリー・ウィーフリング)さんは、「Wiefling Consulting CEO」、「シリコンバレー・アライアンスの共同設立者」、グローバル・ビジネス・リーダーシップ・コンサルタントである。専門はグローバルチームの効率化で、一般的には不可能であることを実現するチームを作ることを得意としており、多くの米国、日本、ヨーロッパ、アジアの企業にリーダーシップマネージメントを教えている方です。

 

これまで50カ国以上の人々と仕事をしてきた彼女は、地球を1つの熱心なチームへと変えていくことをモットーに仕事をしており、JABIが提供する5UPシリコンバレー研修プログラムの主要カリキュラムも担当いただいている貴重な存在です。

 

というわけで、本ワークショックの内容を5UPやその他で受講している私は、本日はブログの記者としてワークショップに参加した。

 

知性、学歴、経験があるからといって、社会における結果は保証されません。成功のためには以下の壁を乗り越えなければなりません。

          ”F"ear of Failure.      

          "A"version to Planning.  

          "I"nstinct for Competition & assuming that their goals are “Impossible”.   

          "L"earned Helplessness.

 

          失敗への恐れ

          計画への嫌悪感

          競争への本能とその目標が「不可能」であると仮定すること

          学習性無力感

 

日本では、一般的に失敗を嫌うので、予測可能や、回避することが可能な課題での実施が多い。

しかし、シリコンバレーではリスクは日常茶飯事であり、間違いはそこから学ぶ

ためのプロトタイプであり、失敗は「実験」であるという考え方。必要なリスクを取り、「失敗」から学び、「失敗」を成功への足がかりとして祝福することを厭わない人たちが、イノベーションを繰り返し起こすことができる。これこそが、シリコンバレー・マインドセットの核となる部分だ。

 

これをワークショップを通じて、全員参加で体験した。

 

例えば、いつもと違う新しいことをするときは違和感を感じ、不快感がある。しかし、それは自分自身が進化している途中なのだと、自分を褒めてあげよう。(なるほど!)

 

マウンテン・ビューにあるNASA AMES Centerでの調査の結果、5歳の子供たちの方が高学年生、そして大人と比べると想像力が高く、年をとるにつれて想像力が下がっていくらしい。それは学校に行くことによって間違ってはいけないという型にはまった考えをするからである。小さな子供たちは「失敗を恐れない」というマインドを持っているのですが、年をとるにつれて、賢くなった分、そのマインドを忘れてしますのですね。

 

そして、”Yes, But” v.s. “Yes. And”の話。これもシリコンバレーでは良く語られる話のひとつだ。

例えば、会話をしているときにAさんがあるアイデアをだしたところ、Bさんが、「そうだね、でも。。。。。」とYes, But のモードで話をするとアイデアは常に負のエネルギーで下がっていく。

例えば、「大勢でパーティーをしよう、50人ぐらいで、美味しい料理で。」「いいね、でも、お金もかかるし、家はそんなに大きくない。10人ぐらいでレストランに行くのは?」「いいね、でもやっぱりコストがかかる。湖に行こうか。」「いいね、でも。。。。。」結局、アイデアは消極的な方向に進み、消えていく。

 

 

しかし、Yes, and のマインドを持つと、話がどんどんプラス方向に広がっていく。

「いいね、そして、、、」という会話を持つことによって建設的なアイデアの展開になっていく。

これがシリコンバレー・イノベーション・カルチャーの基本会話スタイルである。相手を否定するのでなく、肯定して自発的にもっと良い方向に導くために協力するわけである。

 

どうして、”But”でネガティブな考え?を言う人がいるのだろう?それを言うことによって自分の方が賢く見えるのかもしれない。そして、その人も失敗が嫌いだから消極的な話になってしますのかも。

ブレークアウトルームに分かれて“Yes. And”方式の会話で「未来ニュースレポート」を語り合った。そして、各チームの代表者が、「未来ニュース」のレポーターとして報告をした。なんと素晴らしい未来予想図を各チームがしてくれたことか。

 

新しいアイデアを生むための会話であってアイデアを殺すための会話ではない。そのあたり前のような忘れてしまったことを行うのが「シリコンバレー風」なのかも。

 

シリコンバレーでは、失敗を恐れず、いっぱい失敗する事によって成功に近づくことができる。

まさにそれがシリコンバレーのスタートアップの真髄である。

 

キンバリーさん、スタッフのの皆様、そして参加者の皆様、ありがとうございました!

 

 (文責:大永英明 JABI Co-Founder 2022/10/10) 


Thursday, December 23, 2021

関西ベンチャー学会との第1回連携ファーラムを振り返って

関西ベンチャー学会とJABIとのコラボレーション 

今年になって、関西ベンチャー学会 とベンチャービジネス、イノベーションなどに関する情報交換をすることで、相互の組織を活性化し、お互いの社会貢献を高めるという関係を9月に結びました。この関係を結んでからは、相互が主催するイベントにも、相互乗り入れできるという仕組みになりました。

 そして、JABIJapan America Business Initiatives)と関西ベンチャー学会の連携を記念して、1回連携ファーラムをアメリカ時間1023日に開催いたしました。両組織のメンバーのみ(プラス、行政関係と報道期間のゲスト)のフォーラムですので、人数的には計30+名のZoomによるビデオフォーラムでした。

 関西VB学会の定藤会長の挨拶の後、JABIのナディア会長の挨拶があり、その後、私からシリコンバレーのエコシステムを簡単に説明いたしました。その後、今回のフォーラムにおけるJABIメンバーからのトークとして、「コロナ禍のベンチャービジネス、VCの動向変化」を海部美知氏より、二村晶子氏より「シリコンバレーのバイオ産業の動向」、岡田朋之(トム)氏より「世界・シリコンバレーのEV動向」、私から「ロボット産業の近況」について語りました。そして、関西ベンチャーの特徴・現状、コロナ禍と経済回復についての話を関西ベンチャー学会よりいただきました。

 シリコンバレーの動向については、「アメリカでのコロナによる死亡者が多いのに比べて、日本は非常に少ないその中で経済がどう変わったか。アメリカのGAFAの価値、25兆円が日本の全ての企業の総額以上である。」という話でオープンしました。

  • 低金利となったせいで一回に出資する金額が大きく変わり、2020年のシリコンバレー投資は過去最高となり、前年のアメリカ全ての額の2倍となった。
  • 件数は多くないものの、金額が増えた。バイオテックに限らず、100ミリオンドル以上の投資の件数が増えている。ある意味で、それはバブルである。
  • アメリカのVC投資が多かったのがEVではあるが、同時に自動車産業も長時間のスパンでDisruptの状況である。
  • VCからのEVへの投資は増えているが、もう投資サイクルは完了のようである。
  • バイオテクノロジーの投資はマサチューセッツ州が多い。その一つの理由はシリコンバレーではGAFAIT人材を確保しているので、シリコンバレーでは人を雇えない状態になっているという背景がある。(そういう意味では今後、シリコンバレーからマサチューセッツにイノベーションの中心が移動するかもしれないと個人的には懸念しています。)
  • バイオに関しては、コロナのせいで投資および産業自体が伸びている。件数は増えていないものの追加投資が増えているそうだ。ガンの治療薬の開発が盛んである。また、IPOも早いタイミングで可能となってきた。
  • サイバーセキュリティーもランサムのせいで2倍に増えている。(私のいるロボット産業では、RaaS (Robot as a Service)とサブスク・モデルのロボットビジネスをいうが、最近のRaaSRansomware as a Serviceの意味らしい。涙)
  • 中国依存を減らす動きもで始めている。
  • Society 5.0というSmart City + 社会のConnected Industryも投資が増加している。 

このように多くの情報を共有でき、両団体にとって第1回連携フォーラムは大盛況に終わりました。今後は年2回行っても良いなと思うほど盛り上がりました。

 参加されたJABIのメンバー、そして関西ベンチャー学会の皆様、ありがとうございました。関西ベンチャー学会と連携を組めて良かったと心底思ったイベントでした。

(文責:大永英明 JABI理事 2021/12/23) 

Tuesday, October 5, 2021

2050年カーボンニュートラルを実現するグリーン成長戦略 - 2

1.国策として発表されるまでの経緯

2020年10月、日本政府は「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました、その実現を目指して、経産省主導で産業界の意向や計画も取り込んだ「グリーン成長戦略」が作成され、「成長戦略会議」の議論を経て2021年6月18日に「成長戦略実行計画」が閣議決定され国内外に発表されました。グリーン成長戦略の推進は若手Working Groupの活動も取り込んで継続中です。

2.国策として紹介してきた要約の出典は2021年6月18日に政府が公表した135頁の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」からの抜粋です。

3. この成長戦略が実行されれば、国民の当方が期待している恩恵は以下です。

  • 太陽光・洋上風力・地熱発電
    • 太陽光パネルが商業施設や家庭の壁面にも設置可能になれば電気料金が下がる。
  • 水素・燃料アンモニア産業
    • 技術の進展で発電コストが下がれば、家庭電力料金は8,600円/年相当を抑制(試算)できる。
  • 原子力産業
    • JAEAの試験研究炉から産出される放射性医薬品材料はガン治療薬に活用できる。
  • 電気自動車・蓄電池産業
    • 安全運転支援・自動走行技術の進展で移動の安全性・利便性・生産性が向上する。
  • 半導体・情報通信産業
    • グリーンなデータセンターの国内立地により、安全な自動走行や遠隔手術などが実現できる。
    • 次世代パワー半導体の実用化で家庭電化製品の電力消費を軽減できる。
  • 物流・人流・土木インフラ産業
    • 自動車を運転できない高齢者等に利便性の高い公共交通サービスを提供できる。
    • グリーンインフラによって、雨水貯留・浸透等の防災・減災、ヒートアイランド対策が可能。
  • 食料・農林水産業
    • 木材利用の拡大による睡眠効率の向上や、日本食の消費拡大による健康寿命の延伸に貢献。
  • 航空機産業
    • 低騒音の電動航空機の実現により、空港周辺住民や乗客にとって騒音許容性を向上できる。
  • カーボンリサイクル・マテリアル産業
    • 消費者の環境配慮や長寿命と云うニーズに合うコンクリート製品・建築物が提供可能になる。
  • 住宅・建築・次世代電力マネジメント産業
    • 住宅やビルのゼロエネルギー化によって、家庭やビルオーナーの光熱費を大幅に低減できる。
  • 資源循環関連産業
    • 廃棄物処理施設の強靭性を活かした安定的な電力・熱供給と避難所等の防災拠点として活用。

(文責:木村惇夫 JABI理事 2021/9/29) 

Wednesday, September 15, 2021

2050年カーボンニュートラルを実現するグリーン成長戦略

1 (1) 2050年カーボンニュートラルを実現するグリーン成長戦略

  • 2020年10月、日本政府は「2050年にカーボンニュートラルを実現する」と宣言した。
  • 温暖化への対応を、経済成長の制約やコストとする時代は終わり、国際的にも、成長の機会と捉える時代に突入している。
    →従来の発想を転換し、積極的に対策を行うことが、産業構造や社会経済の変革をもたらし、次なる大きな成長に繋がって行く。こうした「経済と環境の好循環」を作って行く産業政策がグリーン成長戦略である。

  • 「発想の転換」、「変革」と云う言葉を並べるのは簡単だが、実行するのは並大抵の努力ではできない。
    産業界には、これまでのビジネスモデルや戦略を根本的に変えて行く必要がある。
    新しい時代をリードして行くチャンスの中、大胆な投資をし、イノベーションを起こすと云った民間企業の前向きな挑戦を、全力で応援=政府の役割。 
  • 国として、可能な限り具体的な見通しを示し、高い目標を掲げて、民間企業が挑戦し易い環境を作る必要がある。産業政策の観点から、成長が期待される分野・産業を見出すためにも、先ずは2050年カーボンニュートラルを実現するためのエネルギー政策及びエネルギー需要の絵姿を示すことが必要。こうして導き出された成長が期待される産業(14分野)において、高い目標を設定し、あらゆる政策を総動員する

1 (2) 2050年カーボンニュートラルを実現するグリーン成長戦略

  • 電力部門の脱炭素化が大前提
    現在の技術水準を前提とすれば、全ての電力需要を100%単一種類の電源で賄うことは一般的に困難である。従って、あらゆる選択肢を追求する必要がある。

    再生可能エネルギー …最大限導入。コスト低減、地域と共生適地の確保、蓄電池活用。洋上風力、太陽光、蓄電池、地熱産業を成長分野に。

    水素発電 …選択肢として最大限追及。供給量・需要量の拡大、インフラ整備、コスト低減
     水素産業・燃料アンモニア産業
    を創出。

    火力+CO2回収 …選択肢として最大限追及。技術確立、適地確保、コスト低減
     火力は必要最小限、使わざるを得ない (特にアジア)
     カーボンリサイクル産業の創出
     CO2の部門別排出割合
      電力由来:37%、産業:25%、運輸:17%、業務・家庭:10%、その他:11%

    原子力 …安全性向上、再稼働、次世代炉
     可能な限り依存度を低減しつつ、安全最優先での再稼働
     安全性等に優れた炉の追求

(JABI理事・ 木村惇夫)

Saturday, July 31, 2021

深刻な半導体不足

半導体不足が深刻化しています。

自動車、特に大量の電子部品を使用するEVや液晶テレビ等は部品不足で減産を余儀なくされ、一部では小売価格も上昇しています。原因はコロナ禍で大手半導体生産工場の生産が計画を下回り、日本ではルネサスエレクトロニクス工場の火災、トランプ前政権による中国半導体メーカーへの制裁で台湾や韓国勢に注文が殺到し、需要に応じきれていないことに因る。

半導体不足の解消は今年後半になるとの見方が有力だ。

こうした背景により、今年の半導体工場の設備投資は過去最高を大幅に上回る見込み。

半導体受託生産でナンバーワン、世界シェアの約半分を占める台湾積体電路製造(TSMC)は、今年の設備投資を前年比6割増の約3兆円とする見通しだ。バイデン米国政権の中国製品の締め出し、中国に依存しないサプライチェーンの構築に日本政府も呼応して、TSMCの最先端半導体の研究開発拠点のみならず生産工場の立地を日本へ誘致・歓迎している。

この流れによって、ビジネス機会が増え潤うのは日本の半導体設備・検査機器・材料メーカー、半導体部品商社、半導体技術者の雇用拡大である。

今後も、日本の電子産業の動向・情報を収集して、随時発信して行きます。


2021年7月3日木村惇夫JABI理事

Wednesday, March 11, 2020

JABI 5UP シリコンバレー研修プログラムを終えて

日本で過ごす5日間とは比べ物にならないほど刺激的で濃密であったJABI 5UPシリコンバレー研修プログラム。自分の中に今どんな想いが残っているだろうか。「挑戦したい」この気持ちが胸の中に大きくある。
私には企画・経営に携わりたい、という夢がある。TSUTAYAの創業者である増田宗昭氏のドキュメント番組を観たことがきっかけであるが、彼は密着の中で「常識の外に、未来はある」と語っていた。世にはない斬新なアイデアで成功を収めた彼の“失敗を恐れずに新たなことに果敢に挑戦し続ける姿勢”に感銘を受けたが、この失敗を恐れない精神はシリコンバレーで働く方々に通じるものがある。そうした精神はいかにして作られるのか、経験を通じて自らの中に吸収するためにこの研修に参加した。

この研修の中でキンバリー・ウィーフリング氏によるワークショップ、「固定概念を取り除く 柔軟に考えるための頭の運動」を3回受けさせていただいた。
様々なアクションを通して自分たちが多くの固定概念に惑わされていることに気付かされた。自分たちは何か新しいことを始める際、どうしても従来の考えに縛られ変化することに戸惑いを覚えてしまいがちである。だがこのレッスンを通じて今までより柔軟な思考を手に入れたことで、新たなことに取り組むことが容易になるであろうと感じる。失敗を恐れない精神を作る土台となる、非常に為になるワークショップであったと思う。

さらに、この研修中に様々な企業に訪問させていただいた。どの企業にも共通していたのは、“世の中のニーズに応えたい”という想いである。世界で起きている問題にどう貢献したいのか、こうした熱い想いがなければ企業は続かない。これからの個人は時代の変化に敏感になり、世で必要となるであろうことをキャッチする力を身につけていくべきだと感じた。また、多くのシリコンバレーで働く方々のお話を伺う機会を持たせていただいた。日本とシリコンバレーの違い、女性が活躍するために必要なこと、人生の目的、など私たちが社会で生きていく上で非常に活きてくるお話ばかりであった。こうしたお話を直接自分で耳にすることは、インターネットやテレビで見聞きする言葉よりもずっと心の中に響く。大変貴重な機会であったと感じる。

そしてこのプログラムの中で数日に渡って作り上げたのがビジネスプラン。今はどういう時代になりつつあるのか、人々が求めているモノは何なのか、を自分の中で必死に考えた。そして生まれたアイデアを元にチームが構築された。私たちのチームは人がそれぞれ持っている、“相手に何かをしてあげる力”つまり“GIVE能力を数値化することによって作られる新たな家族像を提案した。GIVE力はJABIの講演の中で学んだ言葉だ。技術の進歩によって人間は便利になる一方、人間同士の繋がりが薄れてきたように感じる。人と人との繋がりを、現代の進歩する技術を用いることで強められると良いなという想いでこのプランを作りあげた。ビジネスプランを作るのは初めてであったが、世の中をどうしたいのかという想いを大事にして考えあげることが出来た。また、素晴らしい審査員の方々の前でプランを発表することは非常に緊張するものであったが、この発表を通して自分自身に度胸と自信が付いたのではないかと感じる。

JABI 5UP シリコンバレー研修プログラムを通じて私たちの心の中には様々な想いが芽生えた。多くの方々のお話に共通していたのは“失敗を恐れない”ということ。そのために“大きな揺るぎない目標を持つ”ということ。シリコンバレーには失敗を許容し、失敗を良いものだと考える文化がある。そうした文化がない日本では、周りの目や失敗を恐れず何かに挑戦することは少し難しいかもしれない。だが、大きな目標を持ちそれに向かって最初の一歩を踏み出すことができれば、自分の心の中で失敗を許容する“文化”ができるのはないか。こうした文化ができると今までより新しいことに取り組みやすくなる。これまでの私は自分の中の快適なゾーンから抜け出せずにいた。しかし今の私は夢に向かって一つでもアクションを起こそうとしている。こうしたマインドは、このJABIのプログラムを通してできたものに違いない。非常に有意義なプログラムを提供してくださったJABIの皆様、そして多くのサポートをしてくださった皆様には感謝の気持ちでいっぱいである。この想いを日本に帰っても忘れることなく、新たなことに果敢に挑戦していきたい。

Innovation Matrixインターン 鹿児島大学  高風 皓世

Tuesday, March 10, 2020

JABI 5UP シリコンバレー研修ツアーを行って

JABIの事業の一環として数年前から人材育成関連のイベントを行っている。4年ほど前に日本の某市役所からJABIで研修プログラムを提供できるか?という依頼があり、提案した事がある。その時、感じていた違和感は、参加メンバーが全てIT絡みの起業家であるという事。(それは主催の某市の政策の一環であるので仕方がないわけではあるが。。。)

入札したが、落札できず残念に思ったものの、「起業家を育てるだけなら幾らでも他の団体がある。」と、吹っ切れた気がしたのも事実である。その後、プログラムを改善し、検討するために半日のトライアルバージョンを2年間に数回行い、内容を吟味した。そして、形として出来上がったのが、今回、鹿児島大学に提供したJABI 5UP シリコンバレー研修プログラムである。

「学生や中小企業世代交代の若人に日本の伝統的な考え方を突き抜けて、シリコンバレー風に破壊的なイノベーションやアイデアを創造できる人材育成を行い、さらに、中小企業・ベンチャー企業・起業家による米国進出や米国企業による日本進出支援を通じて、さらなる日本なる経済発展に貢献する。」が、JABIのミッションである。
その一環としての5UP シリコンバレー研修プログラムは、5つの構成要素で構成され、起業家精神・イノベーションの創造に不可欠な「間違い・失敗 を恐れない」マインド形成に大きく寄与するものである。
その5つの要素とは、(1)講義 海外で活躍するプロフェッショナルより実体験、現在のシリコンバレーや世界 でのビジネストレンドなどを学ぶ、(2)メンタリング 自分のアイデアに対するアドバイスを受け、改善する習慣を学ぶ 、(3)企業・施設訪問 スタートアップだけでなく、大学やインキュベーションなど、シリコンバレーエコシステムコンポーネントであるサポート要素を見学、(4)ネットワーキング 現地ビジネスパーソン達と交流、そして(5)ビジネスプランを作成、改善し、発表を行うプロセスを学ぶである。






これに合わせて関西大学からJABIへインターンシップで来ていた水谷君には、本プログラムのアシスタント、記録ビデオ係、及び、受講者として加わってもらった。

5日半の内容の濃い、豊富なプログラムなのでこのブログ記事では全ては書けないが、その一部をここに紹介する。

スタンフォード大学
シリコンバレ (SV) ー 歴史ツアーによって、過去の成功、消滅などの歴史を知ることで、ビジネスにおいても永続はなく新陳代謝が必要であることを学ぶ、スタンフォードの歴史を知ることによって、スタンフォードがどうしてそんなに大きいのか?社会への貢献は?大学と地域の関係、Win-Winの関係とは?を学ぶ。米国の歴史と文化からどうしてシリコンバレーが、特異点としてイノベーションが生まれる理由があるのかを学ぶ。さて、背景を学んだ次は、いよいよシリコンバレーについて学んでいく。

その前に、まずは頭の体操!
固定概念を壊すワークショップ
15年以上も、多数の日本と米国の大企業向けに数々のグーバルリーダーシップや組織強化プログラムを提供しているJABIメンバーでもあるキンバリー・ウィーフィリング (Kimberly Wiefling) によるワークショップ、固定概念をとりのぞく=自分を変えるこれが本プログラムの「間違いを恐れない、思考の殻を破る」コンセプトの肝であるといっても過言ではない。これから社会にでて、様々なことに挑戦していくためには、これまでの固定概念を取り除く必要がある。そのためには柔軟に考えるための頭の体操を行い、自分自身を変えていく必要がある。英語での頭を使うコミュニケーションで1日が始まり、可能な限り毎日続けた。それは、新しい事は頭で覚えるのではなく、体で覚えるべきであるという本研修の信念からである。
固定概念を壊すワークショップ

さて、キンバリーの洗練を受けてから シリコンバレーエコシステム、シリコンバレーがどういった場所であるのか?どうして世界がシリコンバレーを意識しているのか?世界の他の場所でシリコンバレーを作れるのか?などを学び、実際に当地に住んで活躍している社会人や学生に毎晩の夕食時にゲスト参加頂き、アメリカに来たきっかけや、どうして今アメリカに住んでいるのか等、様々な観点からの意見を体験談を通して共有してもらった。
また、毎日JABIのメンバーやエンジェル投資家などから世界や日本に迫りくる問題、今後の課題や生き方、イノベーションジレンマ、スタートアップの成功と失敗理由など、日米の違いなどについて多様な講演があった。そして、ランチ討論会:日本は危機状態?を通して、自分がどうして今アメリカにいるのか?何を学んで帰りたいのかのマインドをセットするために議論した新しいことを行うためには自分で物事を考える力を養う必要がある。全てにおいて疑問を投げかけ、問題定義をする力を持てることが重要になってくる。日本と世界(特にアメリカ)との違いを自分で考え、感じ、自分はどうするべきか?などを考えたあと、起業についての学びが始まった。

ビジネスアイディアを練る学生
学生全員が起業を目指しているわけではない。起業を目指す人も目指さない人も、ビジネスプランを作成し、起業がどういうことなのか、ベンチャー会社でなくてもビジネスプランが必要であることを、実際にグループを組んでプラン作成を実習した。まずは、一般的なビジネスプランの作成方法を学び、「問題点とその解決法」を念頭に実際にビジネスプランおよび提案資料の作成に取り掛かった。
各自のアイデア発表の翌日、各自のビジネスプランを元にパートナーを見つけ(強制的に組まされた?)似たアイデアによる相乗効果を狙った合弁会社に変わったり、相反するアイデアによるドクトリン効果を狙った新規事業にプランを書き換えたり。。。まあ、ビジネスなんて考えた事のない学生達ばかりだから大変!
本研修中、学生の健康管理を支えてくれたのが、本プログラムに共感してくださった食事ボランティアグループの6名のお母さん方々である。日本食なしのカリフォルニア当地の多様文化いっぱいの食事をバランス良く企画し、調達、料理してくださった。もちろん初日のランチはCostcoのピザの洗礼!(笑)朝から夜までの12時間ぶっ続けで勉強できたのは、裏方としてのこの食事チームの存在のおかげだ。すべてが非常に美味しかったです。ありがとうございます!!
日々の美味しいご飯

さて、最終日は、当地で活躍されている大学の先生、投資家、コンサルタントなどを審査員に招いた発表会!前日のチーム編成後の議論を見て不安を感じたメンターであるJABIメンバーのトム岡田、テッド友永そして私。ビジネスプランには、ほど遠く、急遽「ビジネスアイデア発表会」に変更。お招きした以上、それなりのレベルになっていなければヤバイ!!
各チーム5分の持ち時間で発表が始まった。

内容は。。。。(長くなるので、内容は次回のブログ記事をお楽しみに。)

ビジネスアイディア発表会
結論からいうと、最初各自が持っていたアイデアから全てのアイデアが、ガラッと変わり、パートナー同士のアイデア調整で先が見えない状況の前日から一転して、すごく様になったアイデア発表に変身!驚いた!各チーム発表を終えた瞬間、「あ〜、この研修は成功に終わったのだ。」と実感した。

そのあとは、各審査員に寸評をいただき、研修修了証を配り、正式プログラムは終了。続いて私が主催するシェアハウスSV英明塾での恒例のBBQが始まった。食べたり、飲んだり、歌ったり。何人かの大人しかった学生や職員がエンタテーナーに変身したり、6日のキツかった研修の後の宴のなんと楽しかった事。
修了後のBBQ

本プログラムに参加頂いた学生の皆様には、シリコンバレー滞在中に、生涯忘れる事のできない、リアルな「シリコンバレー xxx 」を経験して貰えただろうか?参加者が帰国後、将来の起業志望の有無に関係なく、これからの日本を担う将来の社会人としてのあり方を自分の力で実施する大きな動機の一つとして考えて貰えたら嬉しく思う。
(引き続き、参加した学生達からのブログ記事をお読みください。)
今回参加してくれた学生たち


大永英明, JABI Co-Founder, Director