7月11日土曜日に、カリフォルニア州サンタクララにあるインテル本社の講堂で行われたCASPA (Chinese American Semiconductor Professional Association) 2015年夏のシンポジウムに参加してきました。今回のタイトルは「Living in Avatar: Network Computing, Artificial Intelligence, and Robotics to Fuel Future Computing」で、いくつかのプレゼンテーションがありました。この中から興味深かった内容をご紹介したいと思います。
Robotics Inventions National Drones社のCEO、Marek Sadowski氏は、NASA Amesで火星探査マーズローバーの設計に携わった後、ITのコンサルタントとしてIMB、HP、NTTなどの企業で活躍、2004年に今の会社を立ち上げ、ロボットの開発をしています。ポーランドに設計部隊があり、インドのIT企業に例えて「ロボット開発のバンガロールになる。」と、意気込んでいました。今回は、サービスロボットや家庭用掃除ロボット、オフィス用大型掃除ロボット、湖底深度を測る自動ロボットボートなどを紹介。また、軍事偵察ロボットや複数のロボットを一人でコントロールできるBMS(戦場管理システム)なども開発しているとの事でした。警備ロボットのKnightscopeや、有名なiRobotに競合する製品を作っています。
Robotics Inventions National Drones社のCEO、Marek Sadowski氏は、NASA Amesで火星探査マーズローバーの設計に携わった後、ITのコンサルタントとしてIMB、HP、NTTなどの企業で活躍、2004年に今の会社を立ち上げ、ロボットの開発をしています。ポーランドに設計部隊があり、インドのIT企業に例えて「ロボット開発のバンガロールになる。」と、意気込んでいました。今回は、サービスロボットや家庭用掃除ロボット、オフィス用大型掃除ロボット、湖底深度を測る自動ロボットボートなどを紹介。また、軍事偵察ロボットや複数のロボットを一人でコントロールできるBMS(戦場管理システム)なども開発しているとの事でした。警備ロボットのKnightscopeや、有名なiRobotに競合する製品を作っています。
Cadence Design Systems社のチーフ戦略オフィサー、Brandon Wang氏は、IoT市場の状況と将来についての話をしました。90年代のパソコンから、2000年代の携帯電話、その後のスマホを経て、今後はIoTで爆発的に半導体の出荷数が増えるという話です。興味深かったのは、バリューチェーンを4つのレベルに分けてマーケットサイズを予想していることです。同氏によると2020年には、レベル1 (Things)が$31B、レベル2 (Communication Network)が$17B、レベル3 (Cloud Computing)が$18B、そしてレベル4 (Application and Service) は$262B となり、やはり、アプリケーションやサービスの付加価値が一番大きくなるとの事でした。
携帯デバイスに様々なセンサーが加えられる事によってコストが下がり、さらに市場が加速するというサイクルに入ってきています。無線技術も、2020年には伝送速度10Gbpsが可能な5Gがやってくると考えられ、省電力技術やチップのパッケージ技術の進歩も相まって、ウェアラブル製品やアプリケーション市場がさらに加速するとの事です。それにしても、半導体の集積度やMEMS (Micro Electro-Mechanical Systems)の進歩、低電圧駆動による超低電力SoC等による、不揮発性メモリー制御、電力制御、無線充電など、ウェアラブル機器に利用されている技術の進歩には、目を見張るものがあります。
SRI International社のプリンシパル・リサーチエンジニア、Roy Kornbluh氏は、同社におけるロボット研究の成果を紹介しました。同氏は、現在Artificial Muscle社が開発している電場応答性高分子(Electro-Active Polymers: EAP)の発明者でもあり、ソフトアクチュエータとも呼ばれる人工筋肉について説明しました。実験のデモビデオでは、ロボットの上腕筋への応用や、柔らかいロボットの足、蛇ロボット、電圧をかけて硬くすることでロボットの指間接を制御する例などが紹介されました。
また、SRI社が開発した静電エラストマーを使用しているGrabit社製の「何でも掴めるロボット」の紹介もありました。製造現場や織物工場などで活用されています。
さらに、ExcoMuscle(外部筋肉)やバネを活用することで、従来のロボットに比べて20倍もの歩行エネルギー効率を達成した、PROXI人型ロボットの紹介もありました。このロボットは、先日のDRC (DARPA Robotics Challenge) でも活躍しました。
人工筋肉は、まだ耐久性やコスト、大量生産などに問題が残されています。例えば、ハプティクスと呼ばれる触覚フィードバック技術としてスマホ等のタッチスクリーンに、あるいは高級ヘッドフォンの低音振動用などへの適応や商品化が期待されており、残された技術課題等の解決が望まれます。いずれ小型モーターやリニアモーターに取って代わる人工筋肉ができれば、生物のように静かに動くロボットが出てくるのではと、今後の展開が楽しみです。
スマホ市場の拡大によってセンサーのコストが下がり、ネットワークやクラウドの発展によって通信、ストレージ、計算処理コストが下がり、AIやDeep Learning機械学習によって知能が向上、その上で人工筋肉などの新たなメカトロニクスの発展が見えてきています。まさに、IoTとロボットの分野でいわゆるカンブリア紀の大爆発が起ころうとしているのです。
岡田朋之
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