Monday, November 14, 2022

第2回関西ベンチャー学会とのジョイントフォーラム「日米のビジネス、教育、国民性の違いから学ぶ、これからの日本」が終わって

 昨年、関西ベンチャー学会とコラボレーションを始めてから、2回目の年次JABI / 関西ベンチャー学会ジョイントフォーラムを行ないました。(日本時間 11/5/2022(土) 10:00-12:00、カリフォルニア時間 11/4/222 (金) 18:00 ~ 20:00

昨年に続いて、ズームによるリモートで、両団体の会員及び興味を持つ学生の限定ではあったが、45名の参加となりました。

 

JABIに於いては、日本からアメリカへのビジネス進出の支援及び、学生や若い社会人の人材育成という理念テーマが二つあり、特に、人材育成に関しては、5UPシリコンバレー研修会を通して、次の二つの事を教えています。

 

  • 日本国民性(教育による?)の殻を破ろう、物事に恐れずどんどんやっていこう(つまり、シリコンバレー風空気、スタイル)
  • 日本は危機状態?(学生さんたちには難しいかもしれませんが、これがアメリカに住んでいる我々にとって一番歯痒い事です。)

 

具体的には、5UPプログラムで学生や中小企業􏰀世代交代􏰀若人に日本􏰀伝統的な考え方を突き抜けて、シリコンバレー風に破壊的なイノベーションやアイデアを創造できる人材育成、つまり、恐れず、自分の考え、アイデアを発信するということを教えています。

 

関西ベンチャー学会のメンバーでもいらっしゃる釣島平三郎先生著『サクラジャパン復活への道』では、多くの復活にむけてJABIの会員3名をはじめ、各分野で著名な方々を取材されて、それらの意見を紹介されています。JABIの人材育成理念に100%フィットするので、すごく、有意義なテーマです。

 

長年アメリカに住んでおり、日米双方の教育、ビジネス環境、国民性の違いなどを理解し、経験があるという事で、関西ベンチャー学会との打ち合せ時にフォーラムでのモデレーターとしての大役の指名があり、MCとしての参加となりました。多くの見識者である参加者の活発の意見を交通整理しながらプログラム時間尺に合わせるという大変な役です。緊張とワクワク感のミックス状態でした。

 

フォーラムでは(1)どうして失われた30年が起こったのか? What Happened という危機感を共有し、(2)今後復活するためには経済、どのようなビジネス、経済的な改善(How)を行い、最後に(3)今後、若者への教育をどう変革すべきか。(Yes, and How)を議論しました。

 

まず、「失われた30年」というのが何なのかという共通意識がなければ、年代を超えた参加者達と意見交換ができません。果たして、今の若い人たちは1980年代に日本が世界の経済大国と言われていたことを知っているのだろうか。。。。現状を知っているのだろうか。。。。

 

どうして、30年の間にアメリカではGAFAができ、中国が世界2位の経済大国になったのに、日本は躍進していないのか、、、、、

リーマンショックどころでない、バブルによる崩壊での不良債権の処理が未だに終わっていないのはどうして????

 

 

様々な復興のアイデア意見が飛び交う中、非常に重要な質問がチャットで入ってきました。

 

ウエダ          「質問なのですが、本の中では、復活(goal?)はどのように定義されているのでしょうか?それによってhowの議論も少し変わってくるのかなと思いました。」

トム             「どこに行きたいかですね。経済的復活を考えると、新たな産業やグローバル企業を作る必要がありますが、イタリアやスペイン化すれば、という意見もありますね。」

                   「経済的復活やグローバルでの国力を考えると、基本的な法的規制や文化の問題が変わる必要があると感じます。皆さんご存じの、1.雇用流動性、2.岩盤規制や既得権益対策、3,自分で考える教育への変換 4,少子化対策、移民対策が必要だと感じます。一つ一つが議論の対象です。」

 

その通りです。日本はどこに行きたいのだろう?誰が決めるのでしょう?政府?代議士の先生たち?


多くの政治家は利権と保守のための発言しかしていないようにも思うのは私だけでしょうか?

本日の議題の(1)失われた30年、つまりは危機状態にあると言うことを理解している政治家はどれだけいるのだろう。。。。思いが過ぎる。

 

若い人たちから意見があった。「私たちはちゃんと考えている。日本にこうなってほしいと言う「失われた30年」に生きた大人に、まずどう変わって欲しいのかと言う考えを姿勢、アクションを示してほしい。」

 

トム           「日本が発展した時期:明治維新、戦後。どちらも年配者から若者に権限移譲が起こったのではと思います。 年配者が若者に権限移譲する、規制を外す等の努力すべきでは。アメリカは雇用流動性、移民で若返りが起こっている。」

 

S                 [テレビの影響が非常に大きい。空気(みんなと同じを強要する)を大事にしている。和を乱すことを良しとしない。テレビ(ジャーナリズム)が変わらなければ日本は変わらない。]

 

その通り!!コロナのマスクも同じですね。先月日本にいたのですが、公共の場所でのマスクはわかるのですが、普通の人通りのない道でも周りの目を気にしてマスクをしている。

 

 

と言った感じで議論は進み、あっという間の120分が経ってしまった。

 

 

非常に重要な問題であるので、またの機会に様々な形で継続できれば良いと思いました。

 

  

若い人材を育てるのは良いが、大人達が本問題を理解していなければ何も変わらないと思ったセッションでした。

 

今回のイベントを通して思ったのは、議論の次に何をするべきなのか。どんなアクション?政府への働きかけ?私が経産省への提案? 今後、私自身のアクションと決めたのは、これらの問題を語り、大人、そして若人達に問題意識を持ってアクションを起こしてもらう事。

 

この後、両団体で本フォーラムのビデオから文字起こしを行い、内容の記録をPDF化していきます。

 

先日まで日本に5週間滞在していました。大分の九重という温泉地に壁画を描きに行って来ました。その時、過疎化を肌で感じてしまい、日本の将来に対して非常に不安を感じました。旅館のサービススタッフは全て、海外留学生です。昔、温泉旅館街にあったスロットマシーンとかの娯楽は全くありません。コンビニと酒屋ぐらいです。このままで本当に存在できるのか。。。。

 

そして、小鹿田焼のギャラリーのオーナー会う機会があり、彼から「このままでは、小鹿田焼だけでなく様々な日本の良い文化が消滅してしまう、世界に小鹿田焼を広めるために、日本は世界にいかに発信すれば良いか?」という相談を受けました。色々と話をしたのですが、本テーマに非常に関連したタイムリーな質問だと思いました。

 

情報発信あるのみ!

そして、アクション!

皆が、意識を持ってアクション起こせば、良い環境、良い経済、良い世界が生まれる! (と思う)

 

 

11・13・2022

大永英明

Co-Founder, JABI

Friday, October 14, 2022

JABI Salon 7/22/22

 2年半以上経っただろうか。本日は、コロナ明け(?)初めてのIn Personとズームでのハイブリッド形式でJABIメンバーのキンバリーさんによる「シリコンバレー流 イノベーションマインドセット グローバル環境を生き抜く力を身に着けるワークショップ」と題したJABIサロンを行った。

 

最近、また、コロナ感染者が増えてきているので、当然のプロトコルとして、体温チェックでの入場。

非接触の体温計を家から持ってきたのだが、非接触の距離とか使い慣れていない。おかげで、

スタッフの中には、熱の範囲の表示も。少し、待って、やり直して、全員平温ということでオッケー!

 

昨年から新しくメンバーとなり、イベント実行メンバーとして参加いただいている塩見さんは、イベントのプロ。前職ではテレビ番組を作っていたこともあるとか。。。

数台の外部カメラ、カメラ切り替えスイッチャー、モニタースピーカーなどを屈指してのアメリカ会場と日米のズームによる参加者とのセッションです。

 

コロナのせいもあり、In Personの参加者が少ない。講師を入れて9名だ。よって、ライブ中継のテレビ番組の参加者・観客として現場にいるようなこじんまりとしたサイズ。

 

まずは、ピザで腹ごしらえ。。。今日はインドピザ!結構美味しい。

 

さて、腹ごしらえ、ズーム、ビデオのセットアップも終わり、いよいよスタート!!

 

リモートの参加はJABI会員のみならず、一般からも参加。また、日本サイドの参加者にはJABIと提携している関西ベンチャー学会や神戸ベンチャー研究会のメンバーも参加された。

 

MCであるインターンの秋篠里駆(リク)君の進行で、いつものようにJABIの紹介をイベント担当理事のトム岡田さん、そしてナディア・ソープ会長の挨拶に引き続き、メインのセッションが始まった。コロナ中のズームのセッションでからりの場数を踏んだので、里駆君の会話もスムーズである。

 

Scrappy Project Management』の著者である講師のKimberly Wiefling(キンバリー・ウィーフリング)さんは、「Wiefling Consulting CEO」、「シリコンバレー・アライアンスの共同設立者」、グローバル・ビジネス・リーダーシップ・コンサルタントである。専門はグローバルチームの効率化で、一般的には不可能であることを実現するチームを作ることを得意としており、多くの米国、日本、ヨーロッパ、アジアの企業にリーダーシップマネージメントを教えている方です。

 

これまで50カ国以上の人々と仕事をしてきた彼女は、地球を1つの熱心なチームへと変えていくことをモットーに仕事をしており、JABIが提供する5UPシリコンバレー研修プログラムの主要カリキュラムも担当いただいている貴重な存在です。

 

というわけで、本ワークショックの内容を5UPやその他で受講している私は、本日はブログの記者としてワークショップに参加した。

 

知性、学歴、経験があるからといって、社会における結果は保証されません。成功のためには以下の壁を乗り越えなければなりません。

          ”F"ear of Failure.      

          "A"version to Planning.  

          "I"nstinct for Competition & assuming that their goals are “Impossible”.   

          "L"earned Helplessness.

 

          失敗への恐れ

          計画への嫌悪感

          競争への本能とその目標が「不可能」であると仮定すること

          学習性無力感

 

日本では、一般的に失敗を嫌うので、予測可能や、回避することが可能な課題での実施が多い。

しかし、シリコンバレーではリスクは日常茶飯事であり、間違いはそこから学ぶ

ためのプロトタイプであり、失敗は「実験」であるという考え方。必要なリスクを取り、「失敗」から学び、「失敗」を成功への足がかりとして祝福することを厭わない人たちが、イノベーションを繰り返し起こすことができる。これこそが、シリコンバレー・マインドセットの核となる部分だ。

 

これをワークショップを通じて、全員参加で体験した。

 

例えば、いつもと違う新しいことをするときは違和感を感じ、不快感がある。しかし、それは自分自身が進化している途中なのだと、自分を褒めてあげよう。(なるほど!)

 

マウンテン・ビューにあるNASA AMES Centerでの調査の結果、5歳の子供たちの方が高学年生、そして大人と比べると想像力が高く、年をとるにつれて想像力が下がっていくらしい。それは学校に行くことによって間違ってはいけないという型にはまった考えをするからである。小さな子供たちは「失敗を恐れない」というマインドを持っているのですが、年をとるにつれて、賢くなった分、そのマインドを忘れてしますのですね。

 

そして、”Yes, But” v.s. “Yes. And”の話。これもシリコンバレーでは良く語られる話のひとつだ。

例えば、会話をしているときにAさんがあるアイデアをだしたところ、Bさんが、「そうだね、でも。。。。。」とYes, But のモードで話をするとアイデアは常に負のエネルギーで下がっていく。

例えば、「大勢でパーティーをしよう、50人ぐらいで、美味しい料理で。」「いいね、でも、お金もかかるし、家はそんなに大きくない。10人ぐらいでレストランに行くのは?」「いいね、でもやっぱりコストがかかる。湖に行こうか。」「いいね、でも。。。。。」結局、アイデアは消極的な方向に進み、消えていく。

 

 

しかし、Yes, and のマインドを持つと、話がどんどんプラス方向に広がっていく。

「いいね、そして、、、」という会話を持つことによって建設的なアイデアの展開になっていく。

これがシリコンバレー・イノベーション・カルチャーの基本会話スタイルである。相手を否定するのでなく、肯定して自発的にもっと良い方向に導くために協力するわけである。

 

どうして、”But”でネガティブな考え?を言う人がいるのだろう?それを言うことによって自分の方が賢く見えるのかもしれない。そして、その人も失敗が嫌いだから消極的な話になってしますのかも。

ブレークアウトルームに分かれて“Yes. And”方式の会話で「未来ニュースレポート」を語り合った。そして、各チームの代表者が、「未来ニュース」のレポーターとして報告をした。なんと素晴らしい未来予想図を各チームがしてくれたことか。

 

新しいアイデアを生むための会話であってアイデアを殺すための会話ではない。そのあたり前のような忘れてしまったことを行うのが「シリコンバレー風」なのかも。

 

シリコンバレーでは、失敗を恐れず、いっぱい失敗する事によって成功に近づくことができる。

まさにそれがシリコンバレーのスタートアップの真髄である。

 

キンバリーさん、スタッフのの皆様、そして参加者の皆様、ありがとうございました!

 

 (文責:大永英明 JABI Co-Founder 2022/10/10)