Wednesday, March 11, 2020

JABI 5UP シリコンバレー研修プログラムを終えて

日本で過ごす5日間とは比べ物にならないほど刺激的で濃密であったJABI 5UPシリコンバレー研修プログラム。自分の中に今どんな想いが残っているだろうか。「挑戦したい」この気持ちが胸の中に大きくある。
私には企画・経営に携わりたい、という夢がある。TSUTAYAの創業者である増田宗昭氏のドキュメント番組を観たことがきっかけであるが、彼は密着の中で「常識の外に、未来はある」と語っていた。世にはない斬新なアイデアで成功を収めた彼の“失敗を恐れずに新たなことに果敢に挑戦し続ける姿勢”に感銘を受けたが、この失敗を恐れない精神はシリコンバレーで働く方々に通じるものがある。そうした精神はいかにして作られるのか、経験を通じて自らの中に吸収するためにこの研修に参加した。

この研修の中でキンバリー・ウィーフリング氏によるワークショップ、「固定概念を取り除く 柔軟に考えるための頭の運動」を3回受けさせていただいた。
様々なアクションを通して自分たちが多くの固定概念に惑わされていることに気付かされた。自分たちは何か新しいことを始める際、どうしても従来の考えに縛られ変化することに戸惑いを覚えてしまいがちである。だがこのレッスンを通じて今までより柔軟な思考を手に入れたことで、新たなことに取り組むことが容易になるであろうと感じる。失敗を恐れない精神を作る土台となる、非常に為になるワークショップであったと思う。

さらに、この研修中に様々な企業に訪問させていただいた。どの企業にも共通していたのは、“世の中のニーズに応えたい”という想いである。世界で起きている問題にどう貢献したいのか、こうした熱い想いがなければ企業は続かない。これからの個人は時代の変化に敏感になり、世で必要となるであろうことをキャッチする力を身につけていくべきだと感じた。また、多くのシリコンバレーで働く方々のお話を伺う機会を持たせていただいた。日本とシリコンバレーの違い、女性が活躍するために必要なこと、人生の目的、など私たちが社会で生きていく上で非常に活きてくるお話ばかりであった。こうしたお話を直接自分で耳にすることは、インターネットやテレビで見聞きする言葉よりもずっと心の中に響く。大変貴重な機会であったと感じる。

そしてこのプログラムの中で数日に渡って作り上げたのがビジネスプラン。今はどういう時代になりつつあるのか、人々が求めているモノは何なのか、を自分の中で必死に考えた。そして生まれたアイデアを元にチームが構築された。私たちのチームは人がそれぞれ持っている、“相手に何かをしてあげる力”つまり“GIVE能力を数値化することによって作られる新たな家族像を提案した。GIVE力はJABIの講演の中で学んだ言葉だ。技術の進歩によって人間は便利になる一方、人間同士の繋がりが薄れてきたように感じる。人と人との繋がりを、現代の進歩する技術を用いることで強められると良いなという想いでこのプランを作りあげた。ビジネスプランを作るのは初めてであったが、世の中をどうしたいのかという想いを大事にして考えあげることが出来た。また、素晴らしい審査員の方々の前でプランを発表することは非常に緊張するものであったが、この発表を通して自分自身に度胸と自信が付いたのではないかと感じる。

JABI 5UP シリコンバレー研修プログラムを通じて私たちの心の中には様々な想いが芽生えた。多くの方々のお話に共通していたのは“失敗を恐れない”ということ。そのために“大きな揺るぎない目標を持つ”ということ。シリコンバレーには失敗を許容し、失敗を良いものだと考える文化がある。そうした文化がない日本では、周りの目や失敗を恐れず何かに挑戦することは少し難しいかもしれない。だが、大きな目標を持ちそれに向かって最初の一歩を踏み出すことができれば、自分の心の中で失敗を許容する“文化”ができるのはないか。こうした文化ができると今までより新しいことに取り組みやすくなる。これまでの私は自分の中の快適なゾーンから抜け出せずにいた。しかし今の私は夢に向かって一つでもアクションを起こそうとしている。こうしたマインドは、このJABIのプログラムを通してできたものに違いない。非常に有意義なプログラムを提供してくださったJABIの皆様、そして多くのサポートをしてくださった皆様には感謝の気持ちでいっぱいである。この想いを日本に帰っても忘れることなく、新たなことに果敢に挑戦していきたい。

Innovation Matrixインターン 鹿児島大学  高風 皓世

Tuesday, March 10, 2020

JABI 5UP シリコンバレー研修ツアーを行って

JABIの事業の一環として数年前から人材育成関連のイベントを行っている。4年ほど前に日本の某市役所からJABIで研修プログラムを提供できるか?という依頼があり、提案した事がある。その時、感じていた違和感は、参加メンバーが全てIT絡みの起業家であるという事。(それは主催の某市の政策の一環であるので仕方がないわけではあるが。。。)

入札したが、落札できず残念に思ったものの、「起業家を育てるだけなら幾らでも他の団体がある。」と、吹っ切れた気がしたのも事実である。その後、プログラムを改善し、検討するために半日のトライアルバージョンを2年間に数回行い、内容を吟味した。そして、形として出来上がったのが、今回、鹿児島大学に提供したJABI 5UP シリコンバレー研修プログラムである。

「学生や中小企業世代交代の若人に日本の伝統的な考え方を突き抜けて、シリコンバレー風に破壊的なイノベーションやアイデアを創造できる人材育成を行い、さらに、中小企業・ベンチャー企業・起業家による米国進出や米国企業による日本進出支援を通じて、さらなる日本なる経済発展に貢献する。」が、JABIのミッションである。
その一環としての5UP シリコンバレー研修プログラムは、5つの構成要素で構成され、起業家精神・イノベーションの創造に不可欠な「間違い・失敗 を恐れない」マインド形成に大きく寄与するものである。
その5つの要素とは、(1)講義 海外で活躍するプロフェッショナルより実体験、現在のシリコンバレーや世界 でのビジネストレンドなどを学ぶ、(2)メンタリング 自分のアイデアに対するアドバイスを受け、改善する習慣を学ぶ 、(3)企業・施設訪問 スタートアップだけでなく、大学やインキュベーションなど、シリコンバレーエコシステムコンポーネントであるサポート要素を見学、(4)ネットワーキング 現地ビジネスパーソン達と交流、そして(5)ビジネスプランを作成、改善し、発表を行うプロセスを学ぶである。






これに合わせて関西大学からJABIへインターンシップで来ていた水谷君には、本プログラムのアシスタント、記録ビデオ係、及び、受講者として加わってもらった。

5日半の内容の濃い、豊富なプログラムなのでこのブログ記事では全ては書けないが、その一部をここに紹介する。

スタンフォード大学
シリコンバレ (SV) ー 歴史ツアーによって、過去の成功、消滅などの歴史を知ることで、ビジネスにおいても永続はなく新陳代謝が必要であることを学ぶ、スタンフォードの歴史を知ることによって、スタンフォードがどうしてそんなに大きいのか?社会への貢献は?大学と地域の関係、Win-Winの関係とは?を学ぶ。米国の歴史と文化からどうしてシリコンバレーが、特異点としてイノベーションが生まれる理由があるのかを学ぶ。さて、背景を学んだ次は、いよいよシリコンバレーについて学んでいく。

その前に、まずは頭の体操!
固定概念を壊すワークショップ
15年以上も、多数の日本と米国の大企業向けに数々のグーバルリーダーシップや組織強化プログラムを提供しているJABIメンバーでもあるキンバリー・ウィーフィリング (Kimberly Wiefling) によるワークショップ、固定概念をとりのぞく=自分を変えるこれが本プログラムの「間違いを恐れない、思考の殻を破る」コンセプトの肝であるといっても過言ではない。これから社会にでて、様々なことに挑戦していくためには、これまでの固定概念を取り除く必要がある。そのためには柔軟に考えるための頭の体操を行い、自分自身を変えていく必要がある。英語での頭を使うコミュニケーションで1日が始まり、可能な限り毎日続けた。それは、新しい事は頭で覚えるのではなく、体で覚えるべきであるという本研修の信念からである。
固定概念を壊すワークショップ

さて、キンバリーの洗練を受けてから シリコンバレーエコシステム、シリコンバレーがどういった場所であるのか?どうして世界がシリコンバレーを意識しているのか?世界の他の場所でシリコンバレーを作れるのか?などを学び、実際に当地に住んで活躍している社会人や学生に毎晩の夕食時にゲスト参加頂き、アメリカに来たきっかけや、どうして今アメリカに住んでいるのか等、様々な観点からの意見を体験談を通して共有してもらった。
また、毎日JABIのメンバーやエンジェル投資家などから世界や日本に迫りくる問題、今後の課題や生き方、イノベーションジレンマ、スタートアップの成功と失敗理由など、日米の違いなどについて多様な講演があった。そして、ランチ討論会:日本は危機状態?を通して、自分がどうして今アメリカにいるのか?何を学んで帰りたいのかのマインドをセットするために議論した新しいことを行うためには自分で物事を考える力を養う必要がある。全てにおいて疑問を投げかけ、問題定義をする力を持てることが重要になってくる。日本と世界(特にアメリカ)との違いを自分で考え、感じ、自分はどうするべきか?などを考えたあと、起業についての学びが始まった。

ビジネスアイディアを練る学生
学生全員が起業を目指しているわけではない。起業を目指す人も目指さない人も、ビジネスプランを作成し、起業がどういうことなのか、ベンチャー会社でなくてもビジネスプランが必要であることを、実際にグループを組んでプラン作成を実習した。まずは、一般的なビジネスプランの作成方法を学び、「問題点とその解決法」を念頭に実際にビジネスプランおよび提案資料の作成に取り掛かった。
各自のアイデア発表の翌日、各自のビジネスプランを元にパートナーを見つけ(強制的に組まされた?)似たアイデアによる相乗効果を狙った合弁会社に変わったり、相反するアイデアによるドクトリン効果を狙った新規事業にプランを書き換えたり。。。まあ、ビジネスなんて考えた事のない学生達ばかりだから大変!
本研修中、学生の健康管理を支えてくれたのが、本プログラムに共感してくださった食事ボランティアグループの6名のお母さん方々である。日本食なしのカリフォルニア当地の多様文化いっぱいの食事をバランス良く企画し、調達、料理してくださった。もちろん初日のランチはCostcoのピザの洗礼!(笑)朝から夜までの12時間ぶっ続けで勉強できたのは、裏方としてのこの食事チームの存在のおかげだ。すべてが非常に美味しかったです。ありがとうございます!!
日々の美味しいご飯

さて、最終日は、当地で活躍されている大学の先生、投資家、コンサルタントなどを審査員に招いた発表会!前日のチーム編成後の議論を見て不安を感じたメンターであるJABIメンバーのトム岡田、テッド友永そして私。ビジネスプランには、ほど遠く、急遽「ビジネスアイデア発表会」に変更。お招きした以上、それなりのレベルになっていなければヤバイ!!
各チーム5分の持ち時間で発表が始まった。

内容は。。。。(長くなるので、内容は次回のブログ記事をお楽しみに。)

ビジネスアイディア発表会
結論からいうと、最初各自が持っていたアイデアから全てのアイデアが、ガラッと変わり、パートナー同士のアイデア調整で先が見えない状況の前日から一転して、すごく様になったアイデア発表に変身!驚いた!各チーム発表を終えた瞬間、「あ〜、この研修は成功に終わったのだ。」と実感した。

そのあとは、各審査員に寸評をいただき、研修修了証を配り、正式プログラムは終了。続いて私が主催するシェアハウスSV英明塾での恒例のBBQが始まった。食べたり、飲んだり、歌ったり。何人かの大人しかった学生や職員がエンタテーナーに変身したり、6日のキツかった研修の後の宴のなんと楽しかった事。
修了後のBBQ

本プログラムに参加頂いた学生の皆様には、シリコンバレー滞在中に、生涯忘れる事のできない、リアルな「シリコンバレー xxx 」を経験して貰えただろうか?参加者が帰国後、将来の起業志望の有無に関係なく、これからの日本を担う将来の社会人としてのあり方を自分の力で実施する大きな動機の一つとして考えて貰えたら嬉しく思う。
(引き続き、参加した学生達からのブログ記事をお読みください。)
今回参加してくれた学生たち


大永英明, JABI Co-Founder, Director