Monday, September 3, 2018

第23回JABIサロン「Career in a global world」に参加して

先日、米国CCE認定グローバルキャリアカウンセラーとして、グローバル人材の育成やグループリーダーのマネジメント・スタイルの国際化などを行われている金子厚志さんを講師にお招きしてキャリア支援セミナーが第23回JABIサロンとして開催されました。今回はJABIの理事である友永さんが、私の大学で専攻している学問がキャリアデザインであることから、同じくJABIのメンバーである金子さんを紹介してくださるということでこの企画が生まれ、サンフランシスコに来ている学生も参加してくださり、合計14人でこのセミナーは行われました。


今回のセミナーは金子さんの自己紹介から始まり、講義が進められていく中で私たち参加者が疑問に思った点を質問していくというスタイルで進められていきました。
講義はグローバルキャリアの形成の仕組みを考えていく中で、カルチャーとは一体何なのかを学ぶところから始まりました。講義の主な内容がグローバルキャリアということで日本のカルチャーとアメリカのカルチャーの違い、日本は階層組織で管理しやすいものであるのに対してアメリカではこのカルチャーが一般的ではないということを学びました。これらは各地域において社会規範となっているということもあって一概にどちらが正しいと決めることは出来ないでしょう。しかし私個人の意見としては、日本のカルチャーは元々用意された道を進んでいくことが正しいことだとされているような気がして、人それぞれの個性を消してしまうことになりかねないのではないかと考えているので、これからの創造性がさらに求められる社会において、日本のこのカルチャーはあまりふさわしくないのではないかと思っています。

次に日本とアメリカのカルチャーの差が生み出すキャリアの見方の違いについて金子さんから説明がありました。日本にはCompany is your asset という考え方があるのに対し、アメリカではYourself is your asset という考え方があるというものでした。これは日本では会社を中心としてキャリアを組み立てるのが一般的であるのに対して、アメリカでは個人を中心としてキャリアを組み立てていくのが一般的であるということです。
つまり、アメリカでは一つの企業に長く所属し昇進していくことによって自身のキャリアを積み重ねていくという、日本で多くみられるキャリア形成が主流ではないのです。ここでは文化の違いによって生まれるキャリア形成に対する考え方の違いを知って、アメリカの人は個人個人が自分のスキルを上げることによって、自分のキャリアを伸ばしていこうと考えているからこそ、アメリカはずっと世界の経済を引っ張っていく存在であり続けることができているのではないかと思いました。



次に取り上げられた話題はプロティアンキャリアについての話題でした。プロティアンキャリアとはアメリカの心理学者であるダグラス・ホールが提唱したキャリア理論で、キャリアの主体が組織ではなく個人だとするものです。
キャリアに対する姿勢や尺度も従来のキャリア理論とは異なっており、プロティアンキャリアでは、給料や地位など他の人と比べられるものではなく、仕事満足度や心理的成功など自分自身から見た主観的なキャリアを重要視しています。
私はこの理論の説明を聞いていて給料ではなく、仕事満足度が重要視されるというのがあまり納得できなかったため質問しました。ある一定以上の給料を超えた場合において給料は仕事に対するモチベーションとしてあまり効果を持たなくなり、アメリカでは約8万ドルがそれにあたる金額だということを教えて頂きました。結局キャリアとは他人と比較するものではなく、自己表現をする部分であるということも同時に教えて頂きました。


 最後に私達学生がこれからキャリアを形成していくにあたって重要になってくる【Vision】について、金子さんの方からお話がありました。【Vision】を持つことが大切だというのは誰もがすでに知っている事かもしれません。しかし金子さんは【Vision】を持つとき、その目標に対する自己意識としてWhy?の精神を持ち、考え続けることが重要なことだと話されていました。目標を持っている人はたくさんいるが、その目標を達成するためには何が必要なのかを考えて行動している人は案外少ないのかもしれないと感じました。

今回のセミナーでは、キャリア形成のことや文化の違いによって生じる価値観など様々な内容に触れて、参加者それぞれが多くのことを学び、私達のこれからのキャリア形成について考えさせられる、とても有意義なセミナーとなりました。


以下参加者の感想です。

昨日は大変貴重なセミナーにご紹介いただき、本当にありがとうございました。サンフランシスコで活動できる残り1ヶ月半という期間のモチベーションに繋げ、自分が始めたい新しいビジネスの参考にすることが出来ました。

本日はありがとうございました!楽しかったです。

日本式のキャリアパスか、アメリカ式のキャリアパスかということは、今年就活を終えた同期たちが悩んでいたポイントでもありました。また、自分自身アメリカ式の場合、圧倒的に新卒の大学生には(自分も含め)自分自身のAssetとなるものがないというのが大きな課題だということも感じております。

JABI インターンシップ 法政大学 江藤壮俊

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