開会のあいさつ |
ロボット業界で仕事をしている私にとっては、高齢化が進んでいる中、製造や物流以外では医療福祉ロボットや農業ロボットが重要な課題であると日頃から思っているので、本テーマは個人的にも非常に興味のあるものでした。
講演する吉渡さん |
よって、日本の農業では、農作業の効率化や自動化が求められており、その内容としては、個人農家が統計学の知識を用いて、効率のよい栽培を行うものから、LED光や人工の二酸化炭素を用いて建物の中で野菜を育てる完全人工光型植物工場まで様々であるとの説明がありました。
スライド |
農業離れのなか、異業種企業の参入は昔から行われています。しかし、2012年の日本政策金融公庫の調査によると、農業参入企業のうち黒字化した企業は30%でしかないという説明には驚きました。
日本施設園芸協会の調査によると、人工光型植物工業197箇所(2017年2月)のうち、80%は赤字、そして農林水産省の調査によれば2003〜2009年に参入した企業の24%が撤退というデータ結果が出ており、その結果には正直、悲観的な感じがします。
講演に耳を傾ける聴講者 |
吉渡さんによると、農業の技術で有名なオランダでは農家・企業・大学が連携し、施設園芸や農法に関して研究や実用化が行われているそうです。日本でも農業に参入する企業が増えてきており、ますます農業の工業化による農業の発展を期待したいと思いました。
近年、植物工場にはセンサーを始めとした様々な技術が導入され、農業従事者の経験と勘に頼っていた環境制御を、データに基づいたものに移行する流れが大きくなっています。環境制御の目的は植物工場内の環境(気温、湿度、気流、CO2濃度等)を均一に保ち、作物の安定生産および品質を維持することであるが、植物工場内の環境要素の詳細分布を知ることは一般的には困難であるらしいとのコメントで東海林先生の講演が始まりました。
講演する東海林先生 |
そこで東海林先生の研究では上記環境要素の詳細な分布をCFDにより予測し、均一化するための方法を調べることをテーマとしており、発表では強制換気型ハウスの気流・熱環境解析のシミュレーションが論じられました。
スライド |
講演して頂いたお二人に感謝状を授与! |
吉渡さん、東海林先生、ありがとうございました。
ナディア会長からのあいさつ |
JABI新年会の一コマ |
講演の後、JABI新年交流会に転じ、中華料理のテイクアウトやワインを堪能しながら、講演者の二人を囲んで会話が弾んだ金曜日の夕方でした。Happy New Year!
大永英明
Co-Founder, JABI