第12回 JABI Salonが (本年)4月10日に開催された。アメリカ出張中であったマッスル社(大阪)のエンジニア、一ノ瀬大志郎氏、岡部有棋氏により「介護ロボットの必要性」の演題にて講演が行われた。
日本では、2010年から2025年までの15年間で65歳以上の高齢者は約709万人増加し、総人口に占める高齢者の割合が23%から30%に大幅上昇すると予測されているらしい。そのため、介護職員の数は2010年の150万人から2025年には240万人が必要とされ、また、現在でも介護職員の7割が腰痛を抱えているという現場の負担を軽減する必要がある。このような必要性から、介護ロボット「サスケ」は開発された。
経産省と厚労省によって重点的に開発支援する分野として特定されたのは、移乗介助、移動支援、排泄支援、認知症の見守り、入浴支援がある。マッスル社では、その中でも移乗介助と排泄支援を主としたロボット事業を展開している。
世界の中でも日本が高齢化社会突入の先頭を走っており、2060年には世界に先駆けて人口の40%が高齢者になると「高齢者白書2012年」で推測されている。世界に先駆けて高齢化社会問題に突入する日本であるからこそ、その解決法のハードとソフトの開発が世界の注目を浴びる課題であることを身近に感じる講演であった。かくいう筆者も高齢者の範疇に近くなってきたので、多少なりともシリアスで興味深いテーマであった。
資料
大永英明