Tuesday, July 13, 2010

日本の海外進出動向

すこし前になるが、中国地方に引き続き、6月中旬に大阪市海外プロモーション、財団法人 大阪産業振興機構、財団法人 京都高度技術研究所の方々を訪問 し、JABIの案内、意見交換をさせて頂いた。

JABIの主旨については、賛同頂き、興味を持っておられる中小企業に紹介して頂けるとの言葉を頂き安心した。

しかし、現在、多くの日本企業の海外進出は中国、ベトナムを中心に動いているとの事。理由は低コスト製造と市場である。

マーケットに近いところで、製造するのは自然の流れであるが、単に中国での低コスト製造は品質の低下、そして製造技術の漏洩/供与につながる。また、成長 期にみられる人件費高騰の中では、普遍的な低コスト製造が行えるかは疑問である。(それが故にすでにベトナムなど、より低賃金の国へすでに移行しているわ けだが。)

当然、中国での製造技術が高まるという事は、競争相手を日本メーカーが自ら作り上げることにも繋がる。よって、現在の中国良景気に対して、日本の進出メー カーがいつまで利益を上げれるのかを十分に検討する必要があると勝手に心配してしまう。

先日訪問した某日本メーカーが、「今までは、品質で売っていたが、中国マーケットに対応するため中国で製造を始めたら、今要求されるのは、1に納期、2に 価格、3に品質だ。」と教えてくれた。

この動きによって、これからますます、物造りが難しくなる。今までの日本製品に対する品質価値が薄くなるのだ。単に、値段を問われる市場で果たして日本は どんな物造りをしていくのだろう?

もっと、目先の利益にとらわれず、マネのされない付加価値の高いものづくり、仕組みを考えていく必要があると痛切に感じる。そのためにも、多様化文化、イ ノベーションの高いシリコンバレーで製品開発を行い、世界のマーケットを攻める方が長期的であると考えるのは私だけだろうか?

大永英明

新しい市場を創るという「志」がイノベーションを生み出す

というタイトルで、Japan.Internet.comに、インタビュー記事が掲載されました。

イノベーションは、市場がなければ、イノベーションではないという「ごく当たり前のこと」を、お話ししました。
シリコンバレーは、市場開拓をひたすらやり 続けている、世界でも稀有な場所です。

ご一読下さい。

http://japan.internet.com/busnews/20100713/4.html

八木 博